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Channel: 岩ちゃんのガラクタ倉庫
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PIONEER PD-9010Xをレストアする その2

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前回メカの修理を完了して再生が出来るようになったPD-9010X。
当初より歪みっぽい音がして、そのまま鳴らしていたら片チャンネルからプッツリ音が出なくなってしまいました。
その原因を突き止めると画像の部品「LPFモジュール」の故障でした。
金属製の立派なシールドケースに入っております。
イメージ 1

しかも、タチが悪い事に内部が樹脂で埋没されているのです。
コイツが修理を拒んでいます。。
もちろん修理する事など考えられていないユニット部品なのですが。
さて、どうやって基板を取り出すか考えねばなりません。
イメージ 2

そして過去の失敗が頭を過ります。
以前ソニーのCDP-701ESで同じようなタイプのLPFモジュールの故障に遭遇し、
分解修理のため殻割りを試みたところ見事に破壊してしまいました。
この埋没されている樹脂が非常に硬く、削り取ろうにも硬過ぎて全く歯が立ちません。

そこで作戦変更です。
秘密兵器を出してきました。
ヒートガンです。
言うなればドライヤーの怪物みたいなものです。500℃以上の熱風が出ます。
コイツで樹脂を溶かしてやれば良いのでは?っと考えたのです。
イメージ 3

早速LPFモジュールをヒートガンで炙っていきます。
もちろん素手で触れようものなら大火傷をしますので軍手着用が必須です。
しかし、予想は外れ、樹脂は全く溶けません。
依然としてカチカチのままですが、それでも多少柔らかくなっておりこのように表層を
掘り起こす事に成功しました。(樹脂は2層構造になっているようです)

続けて基板に注意しながら除去作業を進めます。
イメージ 4
まるで古代遺跡で発掘をしている気分です(笑)

基板を覆い尽くすものがなくなりました。
今回の故障原因であるオペアンプが3個見えてきました。
イメージ 5

掘り起こした樹脂のかけらは本当に石のように硬いです。
キラキラしているのは何か樹脂に粒子状のものが加えられているようです。
イメージ 6

清掃してみますと基板に結構傷をつけてしまっているのがわかります。
レジスト塗料は樹脂と一緒に剥げてしまったりするので仕方ありません。
写真ではハンダを一部吸い取っています。
イメージ 7

病巣のオペアンプを取り外します。
ICが接着剤で基板と固定されているのでなかなか剥がれません。
手間取ってパターンを1か所剥がしてしましました。
イメージ 8

オペアンプは秋葉原で入手するより安いのでヤフオクで調達しました。
イメージ 16

オペアンプを交換して基板のハンダも全てやり直しました。
イメージ 9

フラックスを洗浄して、足を取り付けます。
LPFモジュール リビルド完了!!
イメージ 10

本体に取り付けてテストしてみます。ちゃんと動くでしょうか?
イメージ 11

テストCDを掛けて波形を見てみます。
おおっ直ってますね。
修理成功、やりました!
イメージ 12

左右の位相を確認してみます。
大丈夫そうです。
ぴったりと直線になっていないのは本機がシングルDACな為だと思います。
イメージ 13

そのため10kHzではこんなにズレます。大体40度くらいでしょうか。
位相特性だけ見ればカセットデッキとどっこいどっこいですね。
イメージ 14

周波数が上がるにつれて顕著になります。
イメージ 15

波形を見ると、やっぱり左右独立DACが良いと言われれる理由がわかります。
左右の位相ズレにより楽器の定位などがシングルDACでは少し曖昧になるのかもしれません。
でもでも駄耳な自分には十分良い音に聞こえます(笑)

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