久しぶりの更新となりますが、ネタを仕入れたのは2ヶ月ほど前になります(汗)
実は前からフロントローディングのプレーヤー(上に物を置いても大丈夫なやつ)を探しておりました。
一般的なトップカバータイプは置き場所が限られるし、ラック内に入れることができません。
今使用しているプレーヤーはフルマニュアルでオートリターンすらないので少々面倒を感じていました。
で、手元に安いからって手当たり次第に買い集めたレコードのうち、まだ聴いていないものがたくさんあります。
これら消化するためにも手軽にCD感覚で演奏できる、そんなプレーヤーを求めていました。
![イメージ 1]()
そして、コレが目に留まり、症状もよく確かめないで「たぶん直るさ」って楽観視して衝動買いしまいました(爆)
ミニコンポのプライベートシリーズ用にラインナップされた機種のため非常にコンパクトに出来ています。
一般的なプレーヤーの面積に2台置けます。
そのため演奏中にはレコードが本体よりはみ出しますが、これならデスクトップにも置けそうです。
![イメージ 14]()
EP盤と比べますと奥行きが短いことがよくわかります。
![イメージ 2]()
もちろん故障していますので、早速修理に取り掛かります。
こちらで確認出来た症状は、
1: 片CH音が出ない
(正確には物凄く小さな音で、かつ歪んでいる、もう片方のクロストークとも思えるような低レベル)
2: 45回転の回転数が若干速い
3: 速度が不安定、ピッチが安定しない
片CH音出ずの修理
この場合、まず疑うのは出力ジャックの接触不良やアーム内ケーブルの断線などを予想しますが
テスターで当ってみたところ共に正常でした。
よって、原因はカートリッジ側になり、リードの接続不良を疑うもこちらも正常でした。
そうなると最悪のパターン、コイルの断線が頭をよぎります。
しかし、コイルは断線していませんでした。とりあえず胸を撫で下ろしました(^^;
このカートリッジはMC型でありながら針交換が出来るようになっており、構造上コイルも一体になっているため
もしコイルが断線しても針を交換すれば解決するのですが・・・互換針すらとうの昔に生産完了で入手は難しくなっています。
交換針の品番:PN-3MC
※PN-4MCでも代用ができるようです。
問題のカードリッジ PC-3MC
パイオニア製プレーヤー専用で、リード線とは独自形状のコネクタを用いワンタッチで接続されます。
針交換を容易にするための工夫でしょう。
![イメージ 3]()
スタイラスも目視では問題なしに見えます。
片方音が出ない事とは関係がなさそうですが??
![イメージ 4]()
MC型ですが、このように針を交換する事ができます。
針を取り外す際、固いので少し力が必要です。下手するとアームを痛めそうなのでカートリッジ単体で一旦外してから交換したほうが安全だと思います。
![イメージ 5]()
内部にはボビンに巻かれたコイルがカンチレバーに取り付けられており、出力ターミナルと一体成型になっています。
このコイルは断線しておらず正常です。
![イメージ 6]()
本体側に残るのはマグネットのみとなります。
先ほどのコイルが磁石の真ん中に位置しムービングコイルの発電系が構成されます。
シンプルながら良くできていますね。
![イメージ 7]()
この画像を見て、すぐにおかしいと思った方は中々冴えていますね。
左右で比べると一つ違っている部分があります。おわかりになるでしょうか?
拡大!
![イメージ 8]()
2つの磁石の間にあるプレート(センターヨーク)が飛び出ています。
今回の片方音が出ない原因はこれでした。
正常なチャンネルは奥までプレートが入っていますが、
![イメージ 9]()
鳴らない方は途中までしか挿入されていません。それで飛び出ているわけですね。
![イメージ 10]()
しかしこんなところが自然にズレるものなのでしょうか?
もし製造不良で最初からこの状態だったとしたら前オーナーはレコードをまともに聴けなかったことになります。
30年もそのまま・・・それは考えにくいですよねぇ?
全く予想もつかないところに原因が潜んでいました。
何がともあれ、元に戻せば何とかなりそうなので結果的にはよかったことです。
センターヨークをもう片方と同じように押し込んでやりました。
これで復活でしょう!
![イメージ 11]()
OKです!
ばっちり左右から良い音で再生されました!
![イメージ 12]()
これで一応レコードを聴けるようにはなりました。
まだ残る課題は、
45回転の回転数が若干速い
確かに早いです。調整用のVRがあるので調整します。
分解しなくても本体後部の穴からドライバーを突っ込んで調整できます。(金属製は使用不可、ボディとショートします)
![イメージ 13]()
調整箇所
VR1: 45rpm
VR2: 33rpm
速度が不安定、ピッチが安定しない
45回転のみでこの現象が出ます。
弄っていると速度切替SWが接触不良のようです。
SWを何度も押していたら改善してきました。本来は分解清掃をすべきですね。
動作チェック
メカ的な動作もOKです。
せり出したターンテーブルに盤をセットし、スタートボタンを押すとアームが奥からスルッと出てきて演奏が始まります。
このサイズで30cmLPを演奏するための工夫された動きが面白く、見ていて飽きません(笑)
そして音もカートリッジがけっこう良い感じで気に入りました。
とにかく元気いっぱいに鳴ってくれます。
抜けが良く弾むような明るい音質です。
ちょっと派手な音と言えますが、ドンシャリのしつこい感じではなくオールマイティにいけると思います。
音質云々よりも音楽を楽しませてくれるカートリッジだと感じました。
今後も使いたいので、とりあえず消耗品であるベルトをコジマに発注し2本入手しました。
品番は「PEB-296」で小売価格は400円(税別)とのことです。
意外と安いのですね。
![イメージ 15]()
しかし30年以上前のマイナーな機種にも関わらず、部品をストックしていることには驚きました。
某社ではまずあり得ない事です(笑)
さらに調べますと、45年くらい前の機種(PL-25E等)のベルトでも未だに純正部品が手に入るみたいです。
再生産を絶えず行ってきたようで、その為か価格は上がっていますが。
パイオニアすばらしいです。
某社では絶対にあり得ない事です(笑)
こういった小型で前面操作なプレーヤー、CDプレーヤーに慣れ親しんだ若い世代にも受けると
個人的に思うのですがね~。
アナログブームに乗ってどこかで再販しないでしょうか。
何よりも場所を食わなくて今時の住宅事情にもぴったりですよ(爆)
実は前からフロントローディングのプレーヤー(上に物を置いても大丈夫なやつ)を探しておりました。
一般的なトップカバータイプは置き場所が限られるし、ラック内に入れることができません。
今使用しているプレーヤーはフルマニュアルでオートリターンすらないので少々面倒を感じていました。
で、手元に安いからって手当たり次第に買い集めたレコードのうち、まだ聴いていないものがたくさんあります。
これら消化するためにも手軽にCD感覚で演奏できる、そんなプレーヤーを求めていました。
ミニコンポのプライベートシリーズ用にラインナップされた機種のため非常にコンパクトに出来ています。
一般的なプレーヤーの面積に2台置けます。
そのため演奏中にはレコードが本体よりはみ出しますが、これならデスクトップにも置けそうです。
EP盤と比べますと奥行きが短いことがよくわかります。
もちろん故障していますので、早速修理に取り掛かります。
こちらで確認出来た症状は、
1: 片CH音が出ない
(正確には物凄く小さな音で、かつ歪んでいる、もう片方のクロストークとも思えるような低レベル)
2: 45回転の回転数が若干速い
3: 速度が不安定、ピッチが安定しない
片CH音出ずの修理
この場合、まず疑うのは出力ジャックの接触不良やアーム内ケーブルの断線などを予想しますが
テスターで当ってみたところ共に正常でした。
よって、原因はカートリッジ側になり、リードの接続不良を疑うもこちらも正常でした。
そうなると最悪のパターン、コイルの断線が頭をよぎります。
しかし、コイルは断線していませんでした。とりあえず胸を撫で下ろしました(^^;
このカートリッジはMC型でありながら針交換が出来るようになっており、構造上コイルも一体になっているため
もしコイルが断線しても針を交換すれば解決するのですが・・・互換針すらとうの昔に生産完了で入手は難しくなっています。
交換針の品番:PN-3MC
※PN-4MCでも代用ができるようです。
問題のカードリッジ PC-3MC
パイオニア製プレーヤー専用で、リード線とは独自形状のコネクタを用いワンタッチで接続されます。
針交換を容易にするための工夫でしょう。
片方音が出ない事とは関係がなさそうですが??
MC型ですが、このように針を交換する事ができます。
針を取り外す際、固いので少し力が必要です。下手するとアームを痛めそうなのでカートリッジ単体で一旦外してから交換したほうが安全だと思います。
内部にはボビンに巻かれたコイルがカンチレバーに取り付けられており、出力ターミナルと一体成型になっています。
このコイルは断線しておらず正常です。
本体側に残るのはマグネットのみとなります。
先ほどのコイルが磁石の真ん中に位置しムービングコイルの発電系が構成されます。
シンプルながら良くできていますね。
左右で比べると一つ違っている部分があります。おわかりになるでしょうか?
拡大!
2つの磁石の間にあるプレート(センターヨーク)が飛び出ています。
今回の片方音が出ない原因はこれでした。
正常なチャンネルは奥までプレートが入っていますが、
鳴らない方は途中までしか挿入されていません。それで飛び出ているわけですね。
しかしこんなところが自然にズレるものなのでしょうか?
もし製造不良で最初からこの状態だったとしたら前オーナーはレコードをまともに聴けなかったことになります。
30年もそのまま・・・それは考えにくいですよねぇ?
全く予想もつかないところに原因が潜んでいました。
何がともあれ、元に戻せば何とかなりそうなので結果的にはよかったことです。
センターヨークをもう片方と同じように押し込んでやりました。
これで復活でしょう!
OKです!
ばっちり左右から良い音で再生されました!
これで一応レコードを聴けるようにはなりました。
まだ残る課題は、
45回転の回転数が若干速い
確かに早いです。調整用のVRがあるので調整します。
分解しなくても本体後部の穴からドライバーを突っ込んで調整できます。(金属製は使用不可、ボディとショートします)
VR1: 45rpm
VR2: 33rpm
速度が不安定、ピッチが安定しない
45回転のみでこの現象が出ます。
弄っていると速度切替SWが接触不良のようです。
SWを何度も押していたら改善してきました。本来は分解清掃をすべきですね。
動作チェック
メカ的な動作もOKです。
せり出したターンテーブルに盤をセットし、スタートボタンを押すとアームが奥からスルッと出てきて演奏が始まります。
このサイズで30cmLPを演奏するための工夫された動きが面白く、見ていて飽きません(笑)
そして音もカートリッジがけっこう良い感じで気に入りました。
とにかく元気いっぱいに鳴ってくれます。
抜けが良く弾むような明るい音質です。
ちょっと派手な音と言えますが、ドンシャリのしつこい感じではなくオールマイティにいけると思います。
音質云々よりも音楽を楽しませてくれるカートリッジだと感じました。
今後も使いたいので、とりあえず消耗品であるベルトをコジマに発注し2本入手しました。
品番は「PEB-296」で小売価格は400円(税別)とのことです。
意外と安いのですね。
しかし30年以上前のマイナーな機種にも関わらず、部品をストックしていることには驚きました。
某社ではまずあり得ない事です(笑)
さらに調べますと、45年くらい前の機種(PL-25E等)のベルトでも未だに純正部品が手に入るみたいです。
再生産を絶えず行ってきたようで、その為か価格は上がっていますが。
パイオニアすばらしいです。
某社では絶対にあり得ない事です(笑)
こういった小型で前面操作なプレーヤー、CDプレーヤーに慣れ親しんだ若い世代にも受けると
個人的に思うのですがね~。
アナログブームに乗ってどこかで再販しないでしょうか。
何よりも場所を食わなくて今時の住宅事情にもぴったりですよ(爆)