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LPが演奏できる奥行21cm、PIONEER PL-X50

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久しぶりの更新となりますが、ネタを仕入れたのは2ヶ月ほど前になります(汗)

実は前からフロントローディングのプレーヤー(上に物を置いても大丈夫なやつ)を探しておりました。
一般的なトップカバータイプは置き場所が限られるし、ラック内に入れることができません。
今使用しているプレーヤーはフルマニュアルでオートリターンすらないので少々面倒を感じていました。
で、手元に安いからって手当たり次第に買い集めたレコードのうち、まだ聴いていないものがたくさんあります。
これら消化するためにも手軽にCD感覚で演奏できる、そんなプレーヤーを求めていました。

イメージ 1

そして、コレが目に留まり、症状もよく確かめないで「たぶん直るさ」って楽観視して衝動買いしまいました(爆)

ミニコンポのプライベートシリーズ用にラインナップされた機種のため非常にコンパクトに出来ています。
一般的なプレーヤーの面積に2台置けます。
そのため演奏中にはレコードが本体よりはみ出しますが、これならデスクトップにも置けそうです。
イメージ 14

EP盤と比べますと奥行きが短いことがよくわかります。
イメージ 2


もちろん故障していますので、早速修理に取り掛かります。
こちらで確認出来た症状は、

1: 片CH音が出ない
  (正確には物凄く小さな音で、かつ歪んでいる、もう片方のクロストークとも思えるような低レベル)

2: 45回転の回転数が若干速い

3: 速度が不安定、ピッチが安定しない

片CH音出ずの修理
この場合、まず疑うのは出力ジャックの接触不良やアーム内ケーブルの断線などを予想しますが
テスターで当ってみたところ共に正常でした。
よって、原因はカートリッジ側になり、リードの接続不良を疑うもこちらも正常でした。

そうなると最悪のパターン、コイルの断線が頭をよぎります。
しかし、コイルは断線していませんでした。とりあえず胸を撫で下ろしました(^^;
このカートリッジはMC型でありながら針交換が出来るようになっており、構造上コイルも一体になっているため
もしコイルが断線しても針を交換すれば解決するのですが・・・互換針すらとうの昔に生産完了で入手は難しくなっています。
交換針の品番:PN-3MC  
 ※PN-4MCでも代用ができるようです。

問題のカードリッジ PC-3MC
パイオニア製プレーヤー専用で、リード線とは独自形状のコネクタを用いワンタッチで接続されます。
針交換を容易にするための工夫でしょう。
イメージ 3


スタイラスも目視では問題なしに見えます。
片方音が出ない事とは関係がなさそうですが??
イメージ 4

MC型ですが、このように針を交換する事ができます。
針を取り外す際、固いので少し力が必要です。下手するとアームを痛めそうなのでカートリッジ単体で一旦外してから交換したほうが安全だと思います。
イメージ 5


内部にはボビンに巻かれたコイルがカンチレバーに取り付けられており、出力ターミナルと一体成型になっています。
このコイルは断線しておらず正常です。
イメージ 6


本体側に残るのはマグネットのみとなります。
先ほどのコイルが磁石の真ん中に位置しムービングコイルの発電系が構成されます。
シンプルながら良くできていますね。
イメージ 7

この画像を見て、すぐにおかしいと思った方は中々冴えていますね。
左右で比べると一つ違っている部分があります。おわかりになるでしょうか?


拡大!

イメージ 8


2つの磁石の間にあるプレート(センターヨーク)が飛び出ています。
今回の片方音が出ない原因はこれでした。


正常なチャンネルは奥までプレートが入っていますが、
イメージ 9


鳴らない方は途中までしか挿入されていません。それで飛び出ているわけですね。
イメージ 10



しかしこんなところが自然にズレるものなのでしょうか?
もし製造不良で最初からこの状態だったとしたら前オーナーはレコードをまともに聴けなかったことになります。
30年もそのまま・・・それは考えにくいですよねぇ?

全く予想もつかないところに原因が潜んでいました。
何がともあれ、元に戻せば何とかなりそうなので結果的にはよかったことです。

センターヨークをもう片方と同じように押し込んでやりました。
これで復活でしょう!
イメージ 11


OK
です!
ばっちり左右から良い音で再生されました!


イメージ 12

これで一応レコードを聴けるようにはなりました。
まだ残る課題は、

45回転の回転数が若干速い

確かに早いです。調整用のVRがあるので調整します。
分解しなくても本体後部の穴からドライバーを突っ込んで調整できます。(金属製は使用不可、ボディとショートします)
イメージ 13

調整箇所
VR1: 45rpm
VR2: 33rpm


速度が不安定、ピッチが安定しない
45回転のみでこの現象が出ます。
弄っていると速度切替SWが接触不良のようです。
SWを何度も押していたら改善してきました。本来は分解清掃をすべきですね。

動作チェック

メカ的な動作もOKです。
せり出したターンテーブルに盤をセットし、スタートボタンを押すとアームが奥からスルッと出てきて演奏が始まります。
このサイズで30cmLPを演奏するための工夫された動きが面白く、見ていて飽きません(笑)

そして音もカートリッジがけっこう良い感じで気に入りました。
とにかく元気いっぱいに鳴ってくれます。
抜けが良く弾むような明るい音質です。
ちょっと派手な音と言えますが、ドンシャリのしつこい感じではなくオールマイティにいけると思います。
音質云々よりも音楽を楽しませてくれるカートリッジだと感じました。

今後も使いたいので、とりあえず消耗品であるベルトをコジマに発注し2本入手しました。
品番は「PEB-296」で小売価格は400円(税別)とのことです。
意外と安いのですね。
イメージ 15

しかし30年以上前のマイナーな機種にも関わらず、部品をストックしていることには驚きました。
某社ではまずあり得ない事です(笑)

さらに調べますと、45年くらい前の機種(PL-25E等)のベルトでも未だに純正部品が手に入るみたいです。
再生産を絶えず行ってきたようで、その為か価格は上がっていますが。
パイオニアすばらしいです。
某社では絶対にあり得ない事です(笑)

こういった小型で前面操作なプレーヤー、CDプレーヤーに慣れ親しんだ若い世代にも受けると
個人的に思うのですがね~。
アナログブームに乗ってどこかで再販しないでしょうか。
何よりも場所を食わなくて今時の住宅事情にもぴったりですよ(爆)

今年最後の修理 PIONEER F-120Dを再調整

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今年も残りあとわずかとなりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?

年末・・・ですが、私の方は部屋が全く片付きません(爆)
よってこのまま新年に突入となりそうです。
全く自分でも呆れます。。。
来年は部屋を整理して、音楽を聴ける環境にする事を目標にしたいと思います。

そんなわけで(爆)今月にH/Oで入手したチューナー F-120Dを紹介します。
5月にはDが無いF-120も入手しており、再調整後、FMを録音する時は主にこれを使っています。
音質は文句なしに素晴らしいです。

動作テストしますと、
一応ステレオで受信しますが0.1MHzズレて同調し、その為か音も歪みっぽいです。
セパレーションもカタログ値には程遠い25db程度しかなく、これでは安物のラジカセ以下の性能です。

こういった故障は調整がずれしている事がほとんどなので、再調整すれば復帰するケースが多いです。
そして、古いチューナーは例え完全動作していても当初の性能が出ていることは稀です。
製造後30年以上経過していますから仕方ない事でしょう。

NHK-FM (東京) 82.5MHzがマイナス0.1MHzで受信されます。
古いチューナーではよくある故障です。
同調点のズレが原因と思われます。
イメージ 1

調整前の歪み(1KHz、ステレオをSSGより送出)
実際に聴いてみて歪みっぽかったのも納得です!
画面のキャプチャをミスっていますが気にしないでください(笑)
イメージ 2

調整前のセパレーション L->Rの漏れ音
ステレオ感がイマイチと思ったら25db程度しかありません。
イメージ 3

調整前のセパレーション R->Lの漏れ音
こちらも同様です。全く性能が発揮されていません。
イメージ 4

蓋をあけて内部を見てみます。
密閉構造のため埃が入らずきれいです。
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チューナーマニアのマストアイテム?調整用の機材達です。
これがあるとジャンクなFMチューナーがお宝に見えてきます(爆)
背景が汚いのは気にしない方向で・・・(笑)
古い機材で校正などは当然してませんが・・・趣味で使うのでそこはご勘弁?
PCへの取り込みにはDAT(DTC-ZA5ES)をA/Dコンバーターとして使用しております。

調整手順はひろくん様のWebサイトを参考にさせて頂きました。
古いチューナーの愛好家にとって有益な情報を多数公開していただき頭が下がる思いです。
こうやって蘇らせる事が出来るのも情報があってこそです。
この場を借りてお礼申し上げます。

イメージ 6

調整中の様子
写真では38KHzのVCO調整をしているところです。
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調整後
歪みは激減しています。
実際の音もすっきりしました。
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調整後のセパレーション L->Rの漏れ音
60db以上出るようになりましたので上々でしょう。
イメージ 9

調整後のセパレーション R->Lの漏れ音
こちらも60db以上ありますので合格です。
イメージ 10

調整で機能が回復しましたが、プリセットボタンが押せなくなっており使えません。
この症状はF-120シリーズ共通のもので、スイッチに貼られたスポンジが加水分解して、まるでカステラのように変質しているからです。
こうなるとボタンをいくら押し込んでもスイッチには届かないので選局できません。
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ボタン側にもカステラが付着していますので、アルコール等できれいに除去します。
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用意したものは次のものです。
共にダイソーで購入しました(笑)
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7mmのポンチで防音テープをくり抜きます。
イメージ 14

スイッチをきれいに清掃した後、貼り付けて完成です。
7mmというサイズがまさにぴったりで違和感無く収まりました。
イメージ 15


復活!

2台重ねてツーショット(爆)

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巷でも定評のあるチューナーだけあり、音質は大変優れています。
FMとは思えない音を出す時があります。

あと2台で音質はあまり変わらないように感じます。
デザインの好みで選べは良いのではないのでしょうか(笑)
120はシルバーのみですが、120Dはシルバーモデルがあります。
サイドウッドがある分、120Dの方が引き締まって見えます。

新年一発目はニューイヤーコンサートをこれで録音してみたいと思います。



おまけ
ケースを開けるとダイオードが光っています。
最初見たときは、どこか故障して過電流で光っているのか?と思いすぐ電源を切りました。
しかし触っても過熱しているわけでもなく、これで正常のようです。
ちなみにSIGNAL(信号強度)のインジケーターに連動して明減しています。
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それでは皆様、良い新年をお迎えください。

CDを読まないDP-SE7の落とし穴

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ジャンクでも良く見かけるケンウッド、AvinoシリーズのCDプレーヤーです。
CDを読んだり読まなかったりするということで今回、知り合いから修理を頼まれました。
症状からピックアップを交換すれば大丈夫だろうと安易な考えで引き受けましたが、
そう素直ではありませんでした(笑)

とりあえず分かっている故障個所は、
・CDを認識しない。※稀に読む事があり一度読めれば再生を続けることもある。
・勝手に電源が落ちる事がある。特にCDの読み込みに失敗した時など。
・トレーが最後まで閉まらず戻ってくる。

早速バラします。
分解手順は他者様のサイトにもあるので割愛します。
ピックアップを交換するつもりでここまでバラしています。
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まずは電源が勝手に落ちる故障を直します。
この症例はWeb上でも多数見受けられます。
原因についても同様に解説されており、コンデンサーの容量抜けが原因とされています。
この機体でも、画像の基板上にあるコンデンサーは1uFを除いて全て容量減やESRの上昇が確認でき、ほぼ全滅でした。
CDプレーヤーでここまでコンデンサーが不良化するのも珍しい例だと思います。
本機はスタンバイ時も常時通電されているためコンデンサーの寿命が縮む要因になっています。
イメージ 3
画像では一部だけコンデンサーを交換していますが、出力のSILMIC以外全て交換した方が良いです。

一番酷いやつです。
コンデンサチェッカーでもこの通り、もはやコンデンサとして機能していません(笑)
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コンデンサーを交換後、手持ちのピックアップ(KSS-213C)を取り付けて動作チェックしますと、
電源は落ちなくなりましたが、全く修理前と変わらずディスクを認識しません orz

手持ちのピックアップが壊れているのかと思い、2個試しましたが同じです。
2つともNGは考えにくく、全くわけがわかりません。
とりあえず元々のピックアップに戻し様子を見ることにします。

仕方ないのでWebで同じような事例がないかリサーチすることにしました。
すると、ドライブの下の基板(ドライブの制御やCDの信号処理などを行っている)にある面実装型電解コンデンサを交換したら改善したとYouTubeの動画にヒントがありました。
早速基板を外してみると、8個の面実装型電解コンが確認できます。

外してコンデンサーチェッカーで測定してみますと、
やはり不良になっています。
液漏れなどと違い、目視では見分けがつかないので厄介ですね~。
イメージ 6

この基板の電解コンデンサを全て交換しました。
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その後試したら、今までが嘘のようにCDを読むようになりました!
再生も問題なしです。
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オシロで波形を確認していますがアイパターンもきれいです。
ダメだと思ったピックアップも死んでいませんでした。
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最後に交換した部品です。
これだけのコンデンサーが劣化していました。
トレイの動作不良はベルト伸びが原因でしたので交換(サイズ1.6x40φ)しました。
半固定ボリュームは知合いがピックアップを調整しようとして壊してしまった為です。
イメージ 10


今回の教訓:
このシリーズはコンデンサーの劣化が激しく、全面的に交換を行わなければ
CDを読まないからと短絡的にピックアップを交換しても徒労に終わることになります。

DP-SE7のみならずDP-SA7やDP-7Proも同様だと推測します。
これらの製品は1996年~の年式ですのでそろそろ20年選手になります。
常時電源が入っているビデオデッキでも20年も経てば電源のコンデンサは間違いなく劣化しています。

逆に捉えれば、コンデンサーを交換した上でピックアップも交換してあればこの先長く使える可能性も秘めています。
修理に挑まれる方の参考になれば幸いです。

PIONEER PD-9010Xをレストアする その1

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昨年末にハードオフで購入しましたCDPを紹介します。
パイオニアのPD-9010Xで、1985年発売、2倍オーバーサンプリングDACのモデルです。
当時の最上位機種と聞きましたのでどんなものか買ってみました。
サイドウッド付きでぱっと見は良い雰囲気だが持ってみると軽い軽い(笑)
重量6Kgぐらいしかありません。

※ちなみに修理完了後の写真です。
イメージ 24

見にくいですがプライスカードにはとりあえず動いたような事が書いてあります。
イメージ 1

しかし、持って帰ってチェックしたら全然違います。
まずCDを読まないどころかトレーが中で引っ掛かっており出てきません。
カバーを開け無理やりCDをセットしても全然読みません。
どうやってチェックしたんだよっ(怒)
プライスカードに書いてある事は全くのデタラメでインチキでした。
他の客が動作確認してブっ壊したのかもしれません(爆)

何かトレーを無理やりこじ開けた痕があるし。。
よく見ないで買った自分にもちょっと反省。

中を観察すると・・・
トレイ駆動用のラックギアが外れて浮いています。
イメージ 2

ローディングユニットを外します。
外す順番:電源ボタン→フロントパネル→ディスククランパー→ローディングユニット
イメージ 3

トレーIN/OUT検出用のリーフスイッチはトラブル防止のためクリーニングしておきます。
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ゴムベルトは粉を吹いています。
本当なら交換すべきですが、クリーニングしてもう少し頑張ってもらいます。
蓋開ければすぐ交換できるのでダメになった時にまた考える事にします(^^;
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ディスクを保持するリフターが降りない、上がらない原因がわかりました。
ラックギアと連動する凹部から外れていました。
普通まず外れない部分です・・・。
イメージ 6

グリスが粘っていてトレーの動きが重いので全てバラして洗浄します。
ボールの紛失に注意します。
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きれいになりました。
イメージ 8

以下の画像はバラした際に撮影したものです。
実はスチールボールの取付け場所が間違ってます。
以前の持ち主が修理した時に適当に組み上げたのだと思います。
私もそれに倣って組み立てたので、動作不良の原因を掴むまで数日悩まされることになりました(笑)
この通りに組むとトレー引き込み動作に連動してリフターが降りてしまい
ディスクがスピンドルにぶつかってしまいます。
取り出し時はリフターが上がらずやはりスピンドルに引っ掛かります。
イメージ 10

正しいボールの取り付け場所はこちらになります。
トレーがIN/OUTの終端まで差しかかると、その先の動作はボールが肝となります。
最後のひと押しでボールを乗り越えたラックギアがディスクリフターを昇降させます。
リフターを終端以外で動かさないようにロックさせておく役目がボールにあります。
イメージ 11
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ピックアップレンズは綺麗です。
恐らくすでにクリーニングされていますね。
イメージ 12

メカデッキのメンテに移りたいと思います。
ピックアップを外す際に注意する点があります。
CDプレーヤー全般に言える事です。

そのままコネクターを解放すると静電気によりレーザーダイオードが気づかないうちに破壊されてしまいます。

レーザーダイオードが静電気に大変弱いためです。
チクッとする電撃で約3000V、これが1000V以下になると人の体は全く感じることが出来ないと言われています。
そしてレーザーダイオードはたった数十ボルトの静電気で破壊される恐れがあるデリケートな半導体です。

そのため、ほとんどの光ピックアップには静電気から保護するためのショートランドが設けられています。
レーザーダイオードの両端をハンダでショートさせることで静電破壊を防いでいます。
新品のピックアップでハンダが盛られているはそのためです。

静電気に曝される危険を防ぐには、フレキを外す前、つまりは回路に接続された状態でハンダを盛ってから外します。
フレキを外してからショートしても意味がありません。
(回路から切り離した瞬間に静電破壊する可能性があります)
また、取り付け時は逆の手順で、フレキを回路に接続してからハンダを除去します。
本当はアースバンドを装着し、大地アースを取った作業台の上で作業する事が望ましいです。
最低でもショートランド処理は順序を間違えずに必ず実行する事をおすすめします。
入手出来ない貴重なピックアップを殺してしまっては手遅れです。
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メカデッキが外れました。
画像のように部品リードの切れっぱしでショートランド処理をしております。
イメージ 14

ディスクを読み込まない原因がわかりました。
ピックアップ移動用のシャフトに塗ってあるオイルが固まっており全く動く事が出来ない状態でした。
イメージ 15

ピックアップの移動はベルトを介して行われます。
若干伸びている様ですが、径がとても小さく手持ちに無いのでクリーニングして使いまわしました。
負荷がそれほど重い部分ではないのでこれでも支障なく動いています。
勿論交換した方が良いのは言うまでもありませんが・・・。
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あまりにも固着しておりシャフトが抜けません(笑)
パーツクリーナーで固まったオイルを溶かして拭きとりながら少しずつ抜いていきます。
イメージ 17

ここまでメカ系のメンテは一通り行いました。
あとは元通りに組み立てていきます。

幸いピックアップは元気でしたので一発でCDを認識しました。
CD-Rも平気で読み込み再生します。
古いプレーヤー最大の懸念事項であるピックアップが問題なくて一安心です。
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アイパターンもきれいで気持ちいいですね。
イメージ 25

が、しかし・・・


何だか片方のチャンネルが音が歪みます。
強音部で特に顕著です。

そのうち音が急に出なくなってしまいました。

すごーく、嫌な予感がします。。(汗)

問題切り分けのためテストCDを再生して波形を見てみます。
正常な左チャンネルはきちんとしたサイン波になっています。
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音が歪む右チャンネルは完全におかしいですね。
サイン波がノコギリ波に変化してしまっています。
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右CHのLPFの入力には折り返しノイズの高調波が含まれた1kHzサイン波が来ています。
LPFの入力までは正常、出力は異常ということです。
イメージ 22

もう犯人はコイツしかいません。
LPFモジュールです。もちろんこの機種専用の部品です。
こんな部品絶対に手に入りません。
品番はPTF-007 でしょうか?

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実は正常な左CHも過去に交換した形跡があり、左右でロットナンバーが異なります。
意外と壊れやすいのかもしれませんね。
イメージ 23

さーて、どうしましょう。
私は部品取りやらニコイチは好まないのでしたくありません。
と、言いますかそこまでお金を掛けるのは嫌です(爆)

こうなったら「殻割り」するしかない!!
そこでLPFモジュールのリビルドを決行しましたので次回で紹介いたします。

PIONEER PD-9010Xをレストアする その2

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前回メカの修理を完了して再生が出来るようになったPD-9010X。
当初より歪みっぽい音がして、そのまま鳴らしていたら片チャンネルからプッツリ音が出なくなってしまいました。
その原因を突き止めると画像の部品「LPFモジュール」の故障でした。
金属製の立派なシールドケースに入っております。
イメージ 1

しかも、タチが悪い事に内部が樹脂で埋没されているのです。
コイツが修理を拒んでいます。。
もちろん修理する事など考えられていないユニット部品なのですが。
さて、どうやって基板を取り出すか考えねばなりません。
イメージ 2

そして過去の失敗が頭を過ります。
以前ソニーのCDP-701ESで同じようなタイプのLPFモジュールの故障に遭遇し、
分解修理のため殻割りを試みたところ見事に破壊してしまいました。
この埋没されている樹脂が非常に硬く、削り取ろうにも硬過ぎて全く歯が立ちません。

そこで作戦変更です。
秘密兵器を出してきました。
ヒートガンです。
言うなればドライヤーの怪物みたいなものです。500℃以上の熱風が出ます。
コイツで樹脂を溶かしてやれば良いのでは?っと考えたのです。
イメージ 3

早速LPFモジュールをヒートガンで炙っていきます。
もちろん素手で触れようものなら大火傷をしますので軍手着用が必須です。
しかし、予想は外れ、樹脂は全く溶けません。
依然としてカチカチのままですが、それでも多少柔らかくなっておりこのように表層を
掘り起こす事に成功しました。(樹脂は2層構造になっているようです)

続けて基板に注意しながら除去作業を進めます。
イメージ 4
まるで古代遺跡で発掘をしている気分です(笑)

基板を覆い尽くすものがなくなりました。
今回の故障原因であるオペアンプが3個見えてきました。
イメージ 5

掘り起こした樹脂のかけらは本当に石のように硬いです。
キラキラしているのは何か樹脂に粒子状のものが加えられているようです。
イメージ 6

清掃してみますと基板に結構傷をつけてしまっているのがわかります。
レジスト塗料は樹脂と一緒に剥げてしまったりするので仕方ありません。
写真ではハンダを一部吸い取っています。
イメージ 7

病巣のオペアンプを取り外します。
ICが接着剤で基板と固定されているのでなかなか剥がれません。
手間取ってパターンを1か所剥がしてしましました。
イメージ 8

オペアンプは秋葉原で入手するより安いのでヤフオクで調達しました。
イメージ 16

オペアンプを交換して基板のハンダも全てやり直しました。
イメージ 9

フラックスを洗浄して、足を取り付けます。
LPFモジュール リビルド完了!!
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本体に取り付けてテストしてみます。ちゃんと動くでしょうか?
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テストCDを掛けて波形を見てみます。
おおっ直ってますね。
修理成功、やりました!
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左右の位相を確認してみます。
大丈夫そうです。
ぴったりと直線になっていないのは本機がシングルDACな為だと思います。
イメージ 13

そのため10kHzではこんなにズレます。大体40度くらいでしょうか。
位相特性だけ見ればカセットデッキとどっこいどっこいですね。
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周波数が上がるにつれて顕著になります。
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波形を見ると、やっぱり左右独立DACが良いと言われれる理由がわかります。
左右の位相ズレにより楽器の定位などがシングルDACでは少し曖昧になるのかもしれません。
でもでも駄耳な自分には十分良い音に聞こえます(笑)

CDP-701ESのDAC化改造

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ついに実現しました。

かねてから実現したいと思っていたCDP-701ESのDAC化。
WEB上で高速化事業部様が情報公開しておりますので私も参考にさせていただき、
改造に成功しました。
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実はソニーのCDPってあまり好みの音ではないんですね。
(私個人的な意見であり、決して悪い音だとは思いませんよ)
CDP-701ESはそんなソニー製CDPの中でも特にお気に入りの機種の一つでもあります。
そのため3台入手して手元に置いてあります(爆)
しかし、稼働機の2台もピックアップのヘタリを感じたり、LPFの故障を経験しており
ベストコンディションを維持する事は困難になってきています。
近い内に寿命が来るであろうメカがダメになっても大丈夫なように1台はDAC化しておきたいなと以前から考えていました。
そこでジャンク品(3号機)を入手して改造に踏み切る事にしました。

稼働機の2台はDACがCX20017の後期タイプで、今回改造のベースに使用した機体は
CX890の初期タイプです。
前期と後期で音が違うみたいですので、後期型しか聴いたことが無い自分には初めての音になりそうです。

まだ製作途中なので中が雑然としております(^^;
要らないメカ部やシスコンの基板は取っ払っています。
イメージ 1

ちなみにこの機体は入手時、既にピックアップがもぎ取られていました。
他にもディスプレイのロケーションインジケータ用サブマイコンが逝かれており表示が出来ない、
トレイの破損、電源コードが途中で切断されているなどかなりのジャンクでした。
そのかわり部品取り用としてとてもお安く入手出来ました。

ピックアップが無いのでCDPとしては復活できませんがDAC化には関係ありません。
こういったジャンクの方が気兼ねなく改造できるので私にとってはかえって好都合です(笑)


製作したDAI回路
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オリジナルではTC9245Nを使用しておりますが、だいぶ前に秋月で入手出来なくなりましたので代わりにパイオニアのPD0052を使用しました。
っと、思ったら秋月で在庫が復活していました。
早速秋葉にて確保してきました。。
PD0052だと同軸入力の際にレベル変換が必要になるのでバッファを入れないといけませんが、TC9245Nはそのまま接続できます。
ミューティング出力も負論理のため701ESと組み合わす場合、PD0052のように反転させる必要もありません。

*DAIの製作にあたっては高速化事業部様のHPを参考にさせていただきました。
有益な情報を公開頂き、この場を借りてお礼申し上げます。
製作者様の意向を尊重し回路図等は掲載致しません。

背面はこんな感じです。
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ケース加工が面倒なので、元々の取り付け穴を利用し無加工で固定できるように工夫してみました。
入力ソースのスルー出力は多分使わないので不要かなと思い付けていません。
同軸ジャックはビデオ用しか手持ちに無く黄色なのがちょっとダサいですね(笑)

こんな組み合わせもアリでしょう?
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33年前のCDP(DAC)と今時のシリコンオーディオプレーヤのコラボ(笑)
もちろんハイレゾには対応しておりません(爆)
再生側は今風にPCでUSB‐DDCなどでも良いでしょう。
この方が音質的にさらに良くなる気がします。

その音質ですが、聴いてびっくりしました。
これ、本当に音が良いのです!!
一聴してわかる、包み込むような音場感とリアリティ。
物凄い情報量で立体感が際立っています。
この音が30年以上も前の製品から出ている事が信じられません。
ノーマルのCDP-701ESでCDを再生した時と比べても、明らかにDAC化した701ESの方が高音質です。後期型なので正確な比較対象にならないかもしれませんが。

CDに記録されたデータを一切加工しない、701ESの16ビットノンオーバーサンプリングDACの音質は、CDの本当の音質を再現してくれるように思います。
CDだって捨てたものじゃないなと思いました。
ハイレゾ・ハイレゾと騒いでいますが世の中に出回っている音源の殆どは44.1KHz
ですよね。
ハイレゾに行く前にCDの本当の姿を聞いておきたいものです。
DAC化した701ESはまさに、ありのままを再現してくれます。

この音を聞くと、その後のオーバーサンプリング競争に意味があったのか考えてしまいます。

ジャンクなSACDプレーヤー DENON DCD-CX3は直せるか?

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先日H/Oで見つけてしまいました。

「CD読み込みません」10,800円

外観は少しヤニっぽくて黄色味がかっています。
おまけに前オーナーがトレーを無理に引き出そうとしたのかトレー前面カバーに
細い傷が無数についています。
本体だけでリモコンはありません。
通電しテストしてみますと申告通りの症状でした。

正直、高いですよね。
はっきり言ってジャンク品に万札を出すのは逝かれていると思います。
(いまだに10年以上前のH/Oの感覚が頭に染みついている私なのです・・・)
最近は随分と値段が上がりましたので、そんなこと言ってたら何も買えなくなりました(^^;
それにしてもホント最近は高いですよねぇ。
修理出来なかったら1万円のゴミです。

で結局、悩んだ末に買ってしまいました(爆)
こういう輩がいるからどんどん値段をあげていくんだよなぁ。
自分も偉そうなこと言っていられませんね...(汗)

買ってきたら早速開けてしまいました。
うわっ、、
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ギョエェー!
ビスがないじゃないか!(怒
これは中身をいじくり回された最悪のジャンクかもしれません。
本当に1万円のゴミを掴んでしまったかー(怖)
見た時、一瞬寒気がしました(マジで)
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ネジ山は潰れているし、ドライバーを滑らせたのか?傷だらけになっています。
開けた人の技量がわかります(^^;
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ちなみに欠品のM2ビスは本体を逆さにしたら転がり出てきました。
ショートしなくて本当に良かったです。

メカの取り外し方
フロントパネルを外すにはトレイを下記画像の位置にして隠れているビスを外します。
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電源SW周りのコネクタ3つとケーブルクランプを解放します。
また、反対側の表示部からのフレキケーブルも外しておきます。
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フロントパネル上部と下部のビス計6本を外すと分離できます。
トレイの上をまたいでいるビーム(梁)を外します。
メカデッキの固定ビス2本を外し、右側のフレキケーブルを解放します。
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メカをゆっくりと持ち上げます。
大変作りのしっかりしたユニットで、思ったより重量があるので気を付けます。
底の基板にケーブルが繋がっているので外します。
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メカが外れました。
メカシャーシは亜鉛ダイキャスト製でしょうか?かなり剛性の高そうな作りになっています。
小型な割には7Kgと重量があるのもこのメカのせいですね。
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M2のビス6本を外しカバーを開けてみます。
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なかなか凝った構造になっています。
トレーを動かすためにタイミングベルトや断面積4mmもある極太のゴムベルトが使われています。
ただ、この機種トレー関連の不具合が頻発しているようです。
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ここでも嫌なものを見てしまいます。
やたらと油っぽいです、このメカ。
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前オーナーがメカにオイルをスプレーしたようです。
ディスクを読まないからオイルをふり掛ける??その発想は私には理解できません。
自転車のブレーキがキーキー五月蠅いからとオイルを注油するのと同じでしょうか
(核爆)

笑い話みたいですが、本当にそういう事する人が世の中にはいるのです(笑)


トラバースメカの全体像
高回転を要求されるDVD(SACD)メカですから、スピンドルはブラシレスモーターで耐久性も考慮されています。
ちなみに、この部分のメカはDENONのオリジナルではなく、東英 TDT-2000S/T
がOEM採用されています。
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ピックアップの取り外し
一応、静電破壊防止のショートランド処理をしてから外します。
既に死んでいる事を確認済みなら不要ですね(笑)
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ビス2本を外しエンド部の金具を外します。
イモネジはピックアップの傾きを調整するためのもので、レールを押し込む方向で
調整でき、ねじロックされています。
触る必要はありません。金具を元に戻せば調整もそのまま元通りです。
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レールを押さえる金具を外します。
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フレキを解放し、レールごとピックアップを取り外します。
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付いていたピックアップは三洋のDVD用ピックアップ SF-HD65でした。
これは汎用部品でいくらでも手に入ります。
ホームセンターやドン・キホーテで売っているような安物のDVDプレーヤーと同じ部品なのです。

何だよ!安物かよ!と思われるかもしれませんが、ピックアップは消耗品、
簡単に入手できる汎用部品はかえってメリットです。
部品が特殊すぎて入手できず、修理を諦めざるをえない名機はたくさんあります。
それらと違い、汎用部品ならすぐには枯渇しません。
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また、Webで調べますとSF-HD65は、HD60、HD62、HD850と互換性があるようです。
国内でSF-HD60が2700円程、eBayでSF-HD65は$7ほどで売られています。
それからリモコンが付属してこなかったので注文しようと思います。
こちらもWebで調べると定価は4,000円(税別)のようです。
明日にでも秋葉に行って注文してきます。

弄られていますが、何とか復活出来そうな感じがしました。
ピックアップ入手後、続編といたします。

買いかな?

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地元のH/Oに入荷してました。
3K円は相場からすると安いですよね。
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電源ONでブウォーンと異音がしています。
たぶんセレクターのベルト伸び、音出ずはリレーかVRの接触不良だと思います。






で、結局買ってしまいました(爆)
実は山水のαシリーズは、昔使っていた最低クラスのα307しか聴いたことなかったのです。
簡単に直ってくれると嬉しいのですが(笑)

上にあるPIONEERのA-470は某所にてタダでゲットしてきました(笑)
実物は凄く汚いです(^^;
今月はお金を使いすぎなのでもう買わないようにします...(汗)イメージ 3

ジャンクなSACDプレーヤー DENON DCD-CX3は直せるか? 続編

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先週末、秋葉原にリモコンを注文しに行きました。
いつものようにジャンク通りをふらふらしていると、ポータブルDVDプレーヤーが
500円のかごに放り込まれて売られてました。
もしや?っ閃き、全て蓋を開けてピックアップをチェックしました(^^;

ビンゴ!三洋製ピックアップ搭載機がありました。
当然ジャンクなので問題は生きているかどうかですが(爆)
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かごの中には全部で20台位あったと思います、その中で三洋製ピック搭載機は1台しかありませんでした。
日立のHOP-120Vが多かったのは最近の主流なのでしょうか?

もちろん500円で購入してきました。
ヒンジが壊れていて誰がどう見てもゴミにしか見えません(笑)
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ピックアップを外す前に一応動くか確認してみます。
充電後DVDを再生させたらまともに動きやがります。CDもOKでした。
ピックアップが生きていますので目的は果たせそうです。
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一応型番です。
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早速ピックアップをモギ取るため分解していきます。
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必ず静電破壊防止のショートランドにハンダを盛ってからフレキケーブルを外してください。
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摘出したメカをみてみますと、
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何と、三洋製ではないぞ!!
型番もSF-HD850 ではなく EP-HD850と書いてあります。
三洋のHD850の同等品というのは予想できますが、EBG?GEB?ってどこのメーカー製でしょうか?

もしや三洋のライセンス品?見た目やシールの印刷は本物そっくりです。
それとも、やっぱり中国製プレーヤーから抜いたものなのでパクリ品なのでしょうか。。
SONYのCD用ピックアップは中国製のパクリ品が多数出回っているのを知っていましたが、DVD用ピックでも同じなんですね。
SONYのパクリ品は明らかに印刷や基板が異なりすぐに判別出来ましたが・・・。

正直、こんな訳のわからん部品使いたくないという気持ちもあるのですが、一応生きている事だし、まずは動くか確かめたいので(爆)載せてみる事にしました。

その前に油っぽいメカを脱脂しておきます。
そこかしこにオイルを吹いたようで、トレイの前飾りの裏までべたべたしていました。
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EP-HD850をメカに組み込みました。
表から見ただけでは全く三洋製と見分けがつきません。外して裏を見なければOK(爆
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RF信号の取り出しポイント

光ピックから読み取った信号をオシロで確認するためにリード線をハンダして引き出します。
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メカを本体に戻した後、最後にショートランドのハンダを取り除きます。
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組み立てて、さて、動くでしょうか。
OKです!!
CD、SACD共に一発で読み込んで再生も問題ありません。
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レーザー電流値の確認
交換した光ピックアップが劣化していないか確認します。
そのためにテストモードに入ります。
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CD側 42.72mA
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DVD側 40.15mA
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電流値は大体40mA前後となるようです。
この値を初期電流値としてEEPROMに記録し、現在の電流値が1.5倍になった時をピックアップの寿命と判断し交換するようにサービスマニュアルで指示されています。
元々付いていた故障ピックアップの初期電流値はCD 38.34mA、DVD 36.41mAでした。

RF信号を確認してみます。
この波形を見れば正常にディスクを読めているかどうかをアナログ的に判断できます。
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各ディスクのアイパターン波形
DVD
CDに比べるとボケているように見えますがDVDはこんなものです。
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SACD ハイブリッド盤
反射率が低いためなのか振幅が小さいですね。
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CD とてもきれいなアイパターンです。
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波形が綺麗に出ない場合はスキュー調整を行います。
ロックされた六角ネジを再生しながら回してベストポイントを探ります。
カセットデッキのアジマス調整と同様に非常にシビアな作業となります。
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このようにカバーを開けたまま動作させますのでレーザー光を直視しないようにくれぐれも注意をしてください。
(真上から決して覘かない、レンズから30cm以上の距離を取る事)
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結果的に500円で復活できました。
諸費用は、
本体10,800円+ピックアップ500円+リモコン4,320円=合計15,620円
1.5万でSACDプレーヤーの動作品なら上々でしょうかねぇ?
どのみち予備のピックアップは確保しておきたいと思います。
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実はSACD機はマランツのSA8260を既に持っています。
もう5年以上使っていますが、これもジャンク品を自分でピックアップ交換して修理したやつだったりします(笑)
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2台で聴き比べしてみようと思います。
如何せん手持ちソフトが少ないので図書館で借りてきます(爆)

昔なら即買いだったけど

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今日のハードオフ

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ベータマックス SL-HF1000D
今見てもかっこいいマシンです。
サイドウッドの欠けが少し残念ですけどね。

確認してみるとモーターが全く動く気配がありません。
こりゃ定番のSTK5441故障ですねー。
以前持っていたSL-HF705も同じように壊れました。
あの時はそのまま手放してしまいましたが、リベンジしてみたい気持ちもあります。
3端子(4端子)レギュレーターで回路を作成すれば
オリジナルの部品より信頼性もUPできます。
実用性よりも技術的興味ってやつです(汗

今になってベータデッキ買うのもどうかしてるよなと思いますが、
元バブルデッキマニアの血が騒ぎます(爆)

さてと、明日はDCD-CX3のリモコンが入荷したのでアキバにでも繰り出してきます。




5/22 追記

ビデオはソニー、ベータマーックス♪♪
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リベンジだ! STK5441
ハァ、逝ってきます。。
どちらかと言えば自分はVHS党なのですが(爆)

ジャンクな小型オシロ リーダー電子 LBO-314の修理

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もう1ヶ月ぐらい前ですが、某H/Oでジャンクなオシロを見つけてしまいました。
前面にカバーが被さった状態で、この大きさから最初オシロとは分かりませんでした。

5インチCRTが一般的な中で、本機は小型の3.5インチのCRTを採用しています。
携帯性を重視したフィールド修理用としてこの手のオシロがあった事を知っています。
さらにはバッテリー動作が可能で、電源の取れない場所、商用電源と絶縁しなければならない用途や自動車の修理など本機ならではの使い道は色々あるように思います。

この小ささは修理ベンチを設けられない私の部屋には都合が良いと判断し買ってみました。
最悪プローブが使えれば2000円の価値はあると思いますので...
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安いんだか高いんだか微妙ですが、購入価格です。
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プローブは40MHzですが2本とも使えました。
まともに買うと結構するので儲け物です。
安いやつはすぐに断線するし(笑)やっぱりメーカー物に限ります。
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動作は店頭でも確認済みですが、このようにフォーカスが合いません。
調整ボリュームをいくら動かしても全く変化しません。
また、輝度調整のボリュームも変化がリニアではなく、いきなり最大輝度になったり、輝線が消えたりします。
ひどいガリオームになっているんでしょうかねぇ?
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普通ならこういうものに手を出してはいけません。
ブラウン管周りの故障だと高圧が危険なうえ、修理は難儀します。
回路図も無いと大変です。
それでも「何とかなるだろ」っと安易なノリで買ってしまいました。
いつもそんな調子なんですけどね・・(爆)

早速開腹します。
97年に一度修理の手が入っているようです。
プラグイン基板で整然としたレイアウトがまさに測定機って感じがしますね。
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裏側から
全てガラエポ基板で作りはかなり良いです。
CRTは東芝製、電源部はスイッチングレギュレータです。
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まずはボリューム不良から疑ってみたところ、いきなり原因にたどり着きました。
テスターで当ると、真中と左右の端子の間で抵抗値が全く変化しません。
つまりは、擦動子がある真ん中の端子が常にオープンの状態です。
フォーカスが全く調整出来ない原因は、ボリュームの故障でした。
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試しに半固定抵抗に置き換えてテストしてみると問題なくフォーカスを絞れました。
何はともあれ難しい回路故障でなはなく単純なものでよかったです。
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このボリュームは押すとロッドが伸びる昔のカーステレオなんかに良くあったタイプで当然入手不可能です。
分解して修理するしか方法はありません。ちなみにALPS製です。
ピンバイスでアルミの留め具をザグッて抜き取るとこのようにバラバラになります。
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やっぱり、思った通りです。
擦動子の接点が取れてしまっています。
僅かでも接点の圧力で常に押されている状態なので、その部分にストレスが掛かり樹脂が割れて外れてしまうのでしょうね。
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しかも材質がPOM(ポリアセタール)製のため、接着剤では付きません。
仕方ないので同じ材質の壊れたギヤをハンダゴテで溶かして盛ってやります。
上手くやれば問題ない強度となります。
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元通りに組み立てて、問題は固定する方法です。
もちろんビス止めが一番ですが1mmのビスとナットは中々売られていません。
そこで、元のアルミ棒の代わりに1mm径のポリウレタン線を入れて、
ラジペンで写真のように90度に曲げることで固定させました。
何度も分解する事はないのでこれで十分だと思います。
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2つ共ボリュームの分解修理が完了しました。
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VRを元通り取り付けたら、輝度、フォーカス共にきちんと調整出来るよう回復しました。
機能も一応全て動作しているようです。
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普通のオシロと比べると2回りぐらい小さいです。
いかにもオシロ!って顔しててこちらの方が好きです(笑)
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最初は何だかわからなかったこれ、実はスタンドになるのです。
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立てるとこんな感じで角度調整は出来ません。
でも場所を食わないのがイイですね(^^;
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バックパネルです。
AC電源はワールドワイドに使えて、バッテリー、DC電源でも動作できるのが本機の大きな特徴です。
とにかく電源に関しては自由度が大きいです。
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バッテリーは業務用カムコーダーと同じものが使用されています。
しかも今でも手に入るようです。
これは当然ながら死んでいましたが(笑)
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サブオシロとして頑張ってもらいましょう(爆)
片手でヒョイッと持ってきて使える手軽さは小型機ならではです。
なかなか良い買い物でした。

どうする?XK-007

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本日のハードオフ
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XK-009の弟機、XK-007です。
ヘッドがパーマロイのDXヘッドであることと、dbxが無い以外は基本的には009と同じ作りです。
キャリブレーションに発振器がないのは少し残念ですが音質も十分です。

値段は、高くもなく、安くもなくといったところでしょうか。
状態を考慮すると・・・う~む?
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キャプスタンは回転していないのでベルトはダメです。
リールも弱弱しく回転するのでアイドラーも滑っています。
気になるのはケースの止めビスが左右ともないことです。後ろの1本だけで止まっています(笑)
中を開けられたことは明らかなので、内部の状態が心配です。
またフロントの一部ボタンに赤いペイントが塗られています。

私は009と007をそれぞれ所有しているのでパスしましたが、きっとすぐに売れるでしょう。
純正ベルトが1セット余っているんですが、さすがに2台は要らないよなぁ、と(爆)

安いけど、、でも使わないよなぁ

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今日のハードオフ
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DENONのフルオートプレーヤー、DP-47Fが入荷してました。
カートリッジDL-80MC付きで安いですね。
外観も結構きれいです。

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通電テストするとターンテーブルは回りますがアームが降りないようです。
もしかしたら針圧などのセッティングがなってないだけかもしれませんが...。
故障にしても恐らく直せる範囲だろうとは思います。

DL-80MCもカンチレバーが若干左に寄っていましたが針先も健在でした。
しかも、未だに交換針(DSN-80)の供給があるのはビックリしました。
お値段は8,000円ほどしますが、新品のMCカートリッジがこの値段では買えません。



しかし、使うかと言われたら・・・(苦笑)
プレーヤーは3台くらい持っているので必要ありません。
でもフルオートで扱いが楽なのは魅力です。
電子制御アームで針圧も安定して掛かります。

レコードを気軽に聴くにはこのくらいのプレーヤーで十分ですね。
ちょっと後ろ髪を引かれますが・・。

Twitterをはじめてみました。

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今更ながらツイッターを始めてみました。

https://twitter.com/gantaro_junker

H/O情報やジャンクいじりのネタを気まぐれにつぶやいていくつもりです。
もしよかったらフォローしてください。

自分は未だにガラケーユーザーなので外出先からはタブレットで書き込んでいます。
いい加減スマホに替えるべきなのかもしれませんが。。
MVMOで考えてみます(笑)

KENWOODのCDプレーヤ DP-1100Dの修理

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先週の事ですが、いつものH/OでジャンクなCDプレーヤーに出会ってしまいました。
今回のブツはKENWOODの中堅機、DP-1100Dです。
年式は1986年のモデルになります。もう今年で30歳ということになるのですね~
(笑)

お値段は非常にお手頃な540円。
すかさずゲットです(爆)
持った時のズシっとした重さから安物ではない事を伺わせます。
確認症状「トレーが出ない」そうです。
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持ち帰って確認しますと、表記通りモーターが一生懸命唸っていますがトレイが開く様子がありません。

これはベルトですね、って事で裏のカバーを外します。
驚いたことにメカのマウントはアルミダイキャスト製で非常にがっしりとした構造になっていました。
開けて第一声は「凄いな」の一言(笑)
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しかも素晴らしいメンテナンス性です。
裏板を外せばすぐにベルトに御対面できます。
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伸びきったベルトを掛け直して修理完了です(爆)
その前にプーリーも汚れが付いていますのでアルコールで清掃しましょう。
ものの3分もあれば作業出来てしまいます(^^;
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これだけで再生はOKとなってしまいました。
実に手の掛からないジャンク品で、こりゃ大当たりだと調子に乗ってCDを掛けっぱなしにしていました。
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そうしていると・・・

バリバリバリバリ、ブツ、ブツ・・・・・

急に音が割れ出して途切れ途切れになってしまいました。
さらに、CDが24倍速のCD-ROM並みに超高速回転して暴走しています(笑)
まずいので慌てて電源を切りました。

はてはピックアップが逝ってしまったのかと諦めかけました。
たった数時間の命、最後の力を振り絞って音を聞かせてくれたのかい(爆)

でも、私は諦めないよ。
だってさっきまで元気だったじゃないか!

基板を触診しているとこの部品(レギュレータ)を手前に動かすと再生が正常になりました。
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しかし、先程ベルト交換した際に、発熱でハンダ割れが予想されるレギュレータは再ハンダしました。
そのため手前に倒した際に基板が反る事で、症状が変化するのではないかと考えました。

ひっくり返して基板をじっくり点検すると、ありましたハンダクラック。
かなり派手に割れています。
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表側から見るとSTA341Mというトランジスタアレイが付いています。
これでモーターをドライブしているためハンダ不良により異常動作を起こしていました。
ハンダを修正したところスピンドルの暴走は完全に治りました。
動作中に触ると結構発熱しています。これだとハンダ割れは十分考えられますね。
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オシロでアイパターンを確認してみます。
RF信号の取り出しポイントはメカ側の基板にあります。
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少しボケ気味といった感じでしょうか。
多少ピックアップはヘタっているようです。こればかりは古いモデルなので仕方無いですね。
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そのピックアップですがメーカーがわかりません。
このタイプは見たことが無いので・・・。
ケンウッドなので東芝製でしょうか?
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音質についても、非常にキレの良い透明感のある音を出していて悪くないなと思いました。
シングルDACであるにも関わらず音場や定位感も良好です。
1986年となると、競合他社で積分型DACを採用しているモデルは少なくなってきていました。
(抵抗ラダー型のPCM53/54、PCM56がその多くを占めていた)
枯れたチップと言える積分型DACを使ったプレーヤーとしては最後の世代であり、完成の域にあるのではないかと思います。
高調波歪率0.0015%というスペックは現代のCDプレーヤにも勝るとも劣らない値です。

~内部について~
DACはお馴染のSONY製CX20152、シングルDACです。
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デジタルフィルタはNPC製 SM5802B
2倍オーバーサンプリングです。
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CD用のDSPも旧式の第2世代チップCX23035が使われています。
その為SPDIF出力を実現するためにバイフェーズトランスミッタIC CXD1075を外付けしています。
当時最新の第3世代 CXD1125を使えばワンチップで済んだのになぜ旧式チップを使ったのでしょうかね?
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たった540円でこの音なら文句なしに満足な買い物でした。
2倍オーバーサンプリング辺りまでの音質は素直で私は特に好きですね。
これだから古いCDプレーヤー集めはやめられません(^^;

ジャンクな液晶テレビ 電源入らないREGZA 19HE1を修理する

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皆様お久しぶりです。
毎度毎度ブログを放置してしまい申し訳ありません。

相変わらずジャンク集めは欠かさず行っております。
やっと暑さも無くなり、涼しくなってきたので多少イジる気力が湧いてきました。
そうです、秋の夜長といえばジャンク遊びですよね~(アホですな...)
今回の修理ネタはテレビです。
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先週、H/Oでジャンクで売られている液晶テレビを購入しました。
東芝のLEDレグザ 19HE1という2010年の製品です。

購入の決め手は、ただの安物19型テレビではなく500GBのHDDを内蔵し録画が出来るということです。
つまりは、全くダメでも500GBの2.5インチHDDが採取できれば損はしないなと判断し買ってきました(爆)

お値段 1,944円 電源入りません。

店頭でチェックしても待機ランプすら点灯しません。まるっきり通電していません。
弄り甲斐がありそうでワクワクしますね~(病気!)


早速、裏のカバーを開けてみます。
真中に居座っているのがHDDです。
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HDDはちゃんと付いていて安心しました(笑)
普通の2.5インチHDDですね。
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お約束通り、まずはヒューズの導通をテスターで確かめると、何と!切れていました。
あまり良い予感がしません。
1次側ヒューズが飛んでいる場合、スイッチング用のFETやICが破損しているパターンが殆どだからです。

ここで、ヒューズを入れ替えて通電なんて、浅はかな考え方は禁物です。
ヒューズが切れた原因を見つけ出し、取り除いてから交換しないとさらに部品を壊したりヒューズを無駄にするだけです。

電源基板に問題があるのは分かりましたので取り外して詳しく調べることにします。
この基板には2つの電源回路が同居しています。
・通常時に使うメインの電源(大きなトランス)
・待機電源用の小容量な電源回路(平滑コン横の小さなトランス)

メイン電源の大型のトランスで待機電源を作るとロスが大きく、省エネに反するので
このように電源部を独立させ待機電力を小さくする工夫がされています。

この電源基板はPC用電源ユニットでもお馴染の台湾FSP社製でした。
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テスターで2次側(ケミコンの足)を当るとショートしていません。
1次側を当ると、ショートしています。
この時点でどちらに原因があるか切り分けが出来ました。
1次側を重点的に調べます。

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こんな感じでやってます。しかし汚ったねぇキーボードだなぁ(笑)
1次側ACラインにまたがる部品を1つずつ確認していきます。
サージアブソーバー、バリスタ、Xコンは正常です。
こういう作業にはアナログテスターが便利です(笑)

結果、待機電源側の整流用ダイオードがショートモードで死んでいました。
半導体ではなく、ただの導体と化しています。
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整流用ダイオード1N4007 1000V 1Aの一般整流用です。
汎用部品で、秋月電子で20本入り100円(1本あたり5円)で入手できます。

データシートがWeb上で見つかり助かりました。
スイッチング電源IC STR-A6069H
パワークランパー ST02D-170

なぜ、整流ダイオードが飛んだのか原因が良く分からないのですが、雷サージで逝ったのでしょうかね?
過電圧でもなければ普通こんな壊れ方はしないでしょう。

ダイオードとヒューズを交換して復活!!
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2000円でHDD内蔵、外付けHDD録画対応、3波チューナー内蔵液晶テレビが手に入りました。

交換した部品代は50円にも届きません(笑)
これをメーカーに出せば基板丸ごと交換で、技術料+部品代で2万円は請求された事でしょう。

このような部品個々の交換で行う修理(コンポーネント修理)なら技術料にも納得できますが、
自作パソコンの組立と何も変わらない基板交換に、同じ技術料を支払うのは納得がいかないと思うのは私だけでしょうか?
基板交換なんて5分も掛からずに出来ますよ。
1つの不良部品を見つけるのに、回路図を読みながらテスターや計測器を駆使し、
原因部品だけを交換する無駄のない修理・・・それが本物のサービスエンジニアです。
ブロック単位でズボ替えしか出来ないのはチェンジニア(チェンジ=交換)と呼ばれています。

時代錯誤だと言われればそれまでですが昔、テレビを修理しに来た電気屋さんはその場でトランジスタ等を交換修理したものです。

しかし今はメーカーも基板単位でしか部品供給していないのが実情で、
交換した基板は持ち帰って工場で修理され、また補修用の部品として再利用されています。(回転部品と言います)
自動車部品のリビルド品と同じです。
結果的にコスト削減と品質向上につながっていますが、サービスマンが技術を磨く必要はなくなりました。

本体のみでリモコンを別途買う必要がありますが、こちらは定価1500円と比較的リーズナブルです。

しかし、どこで使いましょうか?(結局それかよ!)

ただ修理したかっただけなんですよ(核爆)

CLD-757 電源入らず 執念の原因究明

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(写真は修理後、動作確認している時のものです)

H/Oに2週間程前からパイオニアのLDプレーヤー、CLD-757の電源が入らず1kで
置いてありました。
セルフチェックコーナーで通電テストしてみますと確かに電源を入れる事が出来ません。
正確には、通電はしているのですがスタンバイを示す赤いランプが0.5秒ほどで消えてしまうのです。
電源入らずと言う事で警戒しているのか皆さん(というか転売目的の人達が(爆)買われないようです。

こういうものに立ち向かってこそ真のジャンカーです。
ということで、私が頂きました(笑)
もはや腕試し、謎解きみたいなものです。動く動かないの低レベルなバクチではございません。

症状:
コンセントに差した瞬間にスタンバイランプが一瞬点灯するが、すぐに消えてしまい電源が入れられない。


コンセントに差した際に「キュン」という音がするので電源部は動作しようとしている様子です。
1次側のSW制御用のICは新電元のMA2440(データシートPDF)で、このICは
8mmVTRのEV-BS3000やS2500、S1500に使われており、秋葉の若松で入手が可能で以前交換した事があります。

幸いな事にICは死んでいませんでした。
ショート破壊で死亡している場合はヒューズが切れているので通電せず、
雷サージ等でSW素子が破損し動作していない場合は「キュン」音はせずにダンマリです。
ただし、電解コンデンサが不良になっていました。
常時通電される上、常に近傍の抵抗からの発熱に曝されるため寿命は短いと予想されます。
特にビデオデッキではこの起動用のコンデンサが不良になって電源が入らなくなる症状は定番中の定番のトラブルで山ほど見てきました。

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コンデンサは400V耐圧の105℃品に交換しました。
しかし症状は好転しません。
調べると元々2次側の電圧は出力されておりコンデンサー不良は関係ありませんでした。
それでも不良だった事は事実なので交換する必要性は当然あります。

スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)の液漏れ
次に疑ったのはメモリーバックアップ用スーパーキャパシタの液漏れです。
これの漏液がパターンをショートさせたり腐食断線させているのいではないかと考えたのです。
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パイオニアの製品全般に言えますが、裏板を外して基板にアクセスできないのでメンテナンスしにくいです!
コネクターも線材をダイレクトに差すタイプが多いので抜き差しを何度も繰り返す事は避けたいところです。
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豪快に噴いており基板はベタベタになっておりましたが、幸いパターンの損傷には至っていませんでした。
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基板を念入りに清掃して新しいスーパーキャパシタに交換します。
これは秋月で100円で購入した中国メーカー製のものです。
元のELNAみたいに液漏れしなければ良いのですが。。
ELNAも置いてあったのですが液漏れしたのを沢山見ているので個人的には嫌いです。
NECトーキン製が一番信頼性が高いと思います。(漏れているのを見たことが無い)
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しかし、これでも症状は全く改善しません。

あれこれ悩みまくる日々が始まります。
テスターであちこち当ってもそれっぽいところが見当たりません。

ディスプレイ基板には+5Vが来ていますが、メイン電源には供給が無いです。
ディスプレイ基板にあるマイコンは電源と直結し、常時通電されスタンバイ状態でリモコン等を待ち受けています。
電源を入れると、このマイコンのPin16からPOWER-ON信号が出力されて、電源基板にあるトランジスタをONさせることでメイン電源に供給が行われるようになっていました。

この事からディスプレイ基板のマイコンが動作していないと断定しました。
マイコンが動作しない時のお約束通り、電源、クロック、RESETを確認しても異常はみられません。

もうサッパリわからなくなり、マイコン不良かと諦めかけていました。
自分のスキル不足と、ゴミを買ってしまった悔しさで、何とも言えない気持ちでモヤモヤして眠れない夜を過ごしました。ちょっと大袈裟ですが(^^;

その後もメゲずに弄っていますと、ディスプレイ基板に液漏れしているコンデンサを見つけました。
回路を追って見るとリセット回路に接続されています。
ひょっとしてコンデンサが不良になって電源投入時CPUの初期化に失敗しているのか
・・・と考えました。

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この通り、マイナス極より噴いています。
松下の小型品コンデンサはどうも液漏れ多いですね。。
ケミコンテスターにて容量半減、ESR33Ω程で不良確定でした。

さっそく新しいコンデンサに交換しました。
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すると、直りました!!

スタンバイランプとFL表示が眩しいくらいに輝いています(爆)
こればかりは事前に情報が無ければ絶対に分からない部分でしょう。
マンマと嵌められました(汗)

CLD-757やCLD-737に傾向的な不具合なのかもしれません。
ググると全く同じ症状のジャンク出品がヒットしました。

こんなコンデンサ1個の不良で機械は動作しなくなり粗大ゴミとなってしまいます。
電源入らずで悩んでおられる方の参考になりましたら幸いです。

他に不具合も無く、レンズ清掃で調子良く動いてくれていますので暫く使って見ようと思います。

PIONEER CT-415 ベルト交換メモ

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CT-415のメカ整備を行ったときの記録です。


カバーを外したところ
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メカはキャプスタンとリール駆動を1つのモーターで兼用しています。
ヘッド昇降は手前のプランジャで行います。
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メカの取り外し
カセット蓋部を取り外した後、フロントパネルを外しますが、ビスが不織布テープの下に隠れています。
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フロントパネルを外す必要があるのはこのビスを外すことが出来ないからです。
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左側面のビスも外します。
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そして、メカ両脇にあるビス3本を外すとメカ全体が外れます。
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底面には溶けたベルトが張り付いていますので迂闊に触らないように注意しましょう。
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フライホイールのベルトは予め樹脂製のヘラなどでこそぎ取っておくと後の処理が楽です。
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フライホイールの取り外し
まずはプランジャを外し、フライホイールの押さえ板を外します。
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フライホイールにはワッシャとスプリングが挟まっていますので紛失しないように注意してください。
ベルトサイズ:内径65mmX幅5mmX厚0.5mm
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リール駆動用プーリーにも溶けたベルトが付着していますのできれいに除去します。
ベルトサイズ:内径35mmX1.2mm角
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アイドラーゴムもヒビ割れている場合は交換が必要です。
アイドラーゴム実測サイズ:外径15.6mmX内径11mmX厚2mm
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代用部品としてホームセンターで水道用パッキンを求めました。
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内径11mmのパッキンを使用しますが、外形17mmでは大きすぎて使えません。
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そこで、ミニルーターを旋盤代わりにして外径を削る事にしました。
これが意外と上手くいきました。
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本来の用途はパッキン用のためゴムの硬度が若干硬いのが気になりますが、
実機に取りつけて使用上問題はありませんでした。
長期的な耐久性は未知数ですが。
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キャプスタンモーターはマブチモーター製 電子ガバナーモーターEG-510ED-2Bが使われています。
この機体では回転時ゴロゴロと異音が出ているのが気になりました。
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経年により含浸してあるオイルが抜けてしまっています。
軸受けのオイルレスメタルに微量給油しておくと騒音の低下、回転ムラの低減、モーター寿命の延命が図れます。
オイルレスメタルの軸受にはこれがオススメです。
http://tamiyashop.jp/shop/g/g53508/
注油により異音も消えましたのでしばらくは使えそうです。
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カウンターベルトは材質が違うらしく溶解しませんが伸びたり劣化している場合は下記サイズに交換してください。
ベルトサイズ:内径65mmX0.95mm角

以上の作業にて駆動系は回復し、正常に再生や巻き戻しが出来るようになりました。

イベント景品のTC-K555ESR こんなの想定外(笑)

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みどっちさんのブログ4周年記念イベントに何の気なしにエントリーしたら、当ってしまいました(笑)

今回の景品はジャンカーが大喜びする内容と言う事で、電源を入れるとヒューズがフッ飛ぶデンジャラスで素敵な仕様でした(笑)
普通のジャンクじゃ物足りない自分の様なヘンタイは大歓喜です(爆)
代わりに私が復活させなければと妙に使命感に燃えてきます。

555ESRはその後に続くシリーズより基本に忠実な作りで、良い音が期待できるデッキですので喜んで頂戴いたしました。
その節はどうもありがとうございましたm(_ _)m

開梱一番、電源も入れず早速開腹していきます。
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おっと!

これは危なかったですね!電源基板が宙ぶらりんになっていました(爆)
電源を入れずに開腹して大正解でした。
やっぱりジャンク品にいきなり電源を入れるのは御法度ですね。(教訓)

まずは原因個所を切り分けましょう。
事前情報で17V系の電源に異常があるためヒューズが飛ぶ事が判明しています。

まずは電源基板。
整流ダイオードが外されています。
シスコン基板との接続(CN701)を切り離し、テスターでこの基板単体で対GND間の抵抗を測ってみると、異常ありません。
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添付されていたダイオードも2つ共壊れていませんでした。
私は当初、電圧が出ないのでこのダイオードが不良と推測していたのですが、全く見当はずれでした。

今度はシスコン基板側です。
こちらをテスターで対GNDの抵抗を測ると、完全にショートしています。
原因はこっちにありですね。
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何か修正した痕跡があるのが気になります。
トランジスターを付け直した様ですが、、
近づいてじっくり観察してみますと・・・・

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見事にブリッジしています(爆)
故障の元凶はこれですね、恐らく。
この辺りは触っていらっしゃらないと思うので、前オーナー氏が弄ったのでしょうか?
もう少しハンダの腕前を上げて挑戦して欲しいものです(笑)

さらに、このハンダブリッジのせいで波及的にツェナーダイオードがショートモードで破壊しておりました。
これがヒューズ切れの原因です。
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Q706のB-C間のブリッジにより、ツェナーダイオードには何の電流制限も無しに
17.8Vが加わり、
ダイオードの許容損失(0.5W)を大きく超えショート破壊に至ったと思われます。
導線と化したダイオードには抵抗がないので対GNDの抵抗値は0Ωでした。
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5Vの低電圧回路周りの修正を行いました。
Q706のトランジスタは本来2SC2785ですが2SC2458に交換されています。
規格を調べ、互換性に問題は無く、正常でしたのでそのまま使います。
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ツェナーダイオードは日立のHZS6C3Lというローノイズタイプですが入手不可です。
そこで秋月にあった6.2VのGDZJ6.2Bで代用しました。
ロジック系の電源なのでローノイズとかはあまり気にしなくても良いと思います。
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修正完了。
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ちょっと電圧低めですが5Vが回復しました。
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動作の方も全て復活しました!
左側ディスプレイも正常に表示されています。
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メカのオペレーションもOK、再生音も問題なく出ています。
あとは細かく修理・調整して実用出来るように仕上げたいところです。
リッドカバーも欠品しているので何とかせねば・・。


今回の故障原因は単純なようで複雑でした。
はんだ付けをミスをした事で問題のなかった部品が破損し、結果さらなる故障を生み出してしまったパターンでした。
そうとは考えもせず、深読みしすぎたアドバイスをしてしまいましたが、こんなのは完全に想定外でしたから無理もないです(笑)

入手時よりこの症状だったことから、前オーナーが修理に失敗してドフに放出したのでしょう。

こんな結果、全く予想だにもしませんでした(爆)
ジャンク品って何されているか分からないので恐ろしいですね。
皆さんも注意されたし!!

TC-K555ESR キャリブレーションが出来ない?

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電源入らずのみ処置して動きだした、イベント景品のK555ESR。
浮かれているのもつかの間、やっぱり一筋縄ではいきませんでした。
実はこれはだいぶ悩まされておりました(^^;

症状:キャリブレーションが全く出来ない。
キャリブレーションスイッチをONにして録音してもこのようにメーターは全く振れず、テープに発振音が記録されることもありません。
ライン入力からの録音は可能なので録音が出来ないわけではありませんでした。
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最初はキャリブレーション用発振器の出力を点検してみます。
この発振器はBIAS用の8KHzとレベル用400Hzの2種類の周波数を生成し、混合したものをテープに記録します。
テストピンがありますのでオシロをつないでキャリブレーションSWを押すと正常に発振しておりました。
当初の予想は外れました。
色々と回路を追ってみたり、部品を当って見たりしたのですがどうにも原因が見えてきません。
発振しているのに記録されない・・・何処かのSWが怪しい予感がします。

仕方ないのでセコ技を持ち出します(爆)
正常動作のTC-K555ESXを持ってきて各部の電圧や波形を比べてみるのです。
K555ESXとK555ESRの設計は殆ど同一で、録音BIASが200KHzにシフトアップされているのと再生イコライザ周りの部品が多少増えているぐらいの差です。
外観こそバブル装備で豪華になっていますが、内容的にはK555ESXのマイナーチェンジ版と言えるのではないでしょうか。

こんな感じで2台並べて不良個所を炙り出します。
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すると、電圧が違う部分を見つけました。
26VのラインがK555ESXでは正しく26Vであるのに対し、K555ESRでは21Vしかありません。
この電源は主にFL表示に使われているようです。
そういえば、K555ESRの表示は気持ち暗いような感じがしていました。

調べると、26Vのレギュレータを構成しているトランジスタ2SD809が壊れていました。
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もはや、抵抗アレイ?
半導体ではありません(爆)
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代替品として現在入手可能な東芝の2SC3421を採用します。
2SD809 100V 1A
2SC3421 120V 1A
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トランジスタを交換したところ電圧が正常(26V)になり、キャリブレーション機能が復活しました。
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この機体は色々と弄られており、あちこちハンダを修正してあったり部品が裏側に付けてあったり(表の部品が裏に移動しただけ)しました。
それもキャリブレーションの記載のある信号ラインに集中している事からH/Oに手放したオーナーも原因を究明しようと頑張っていた痕跡が伺えます。
私も電源の故障だとは予想だにしていなかったので苦戦しました。
電圧は低めとはいえ、なまじ動作出来る範囲であったために余計にやっかいでした。
完全に出ていない方が故障探求がよほど楽です。

ようやく全ての機能が回復したと思いますので、残るは性能の確認と外観の修復ですね。
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