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DATウォークマン WMD-DT1 ヘッド何とかなりそう?

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かなり弄られて放出された機体のようで、部品がことごとく破壊されていました。
中でも一番大きなダメージは、ドラムに大きな傷が入っていることです。
これではテープを入れたくないですよね(^^;

とりあえずはドラムをメカデッキから外しました。
ハンダ4か所を吸い取って、シャーシに当てないよう慎重に持ち上げます。
このドラムは非常に小型で (直径17mm) 1円玉よりもサイズが小さいです。
ちなみにTCD-D3/D7/D8だと、さらに小径な15mmのドラムになります。
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傷の状態を確認します。
いやぁ、本当に酷いですね。。。どうすればこんな傷を付けるのかな?
硬く尖ったものでえぐられたような深い傷です。
やっぱりポストの高さを弄った時にスベッて、工具を思いっきりヒットさせたとしか考えられません。
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傷には盛り上がっている部分(バリ)があり、このままだとテープを痛める恐れがあります。
また、爪で触ってみても大きな引っ掛かりを感じます。
これを平坦にしてやればダメージの心配がなくなり、何とか使えるようにならないかと考えたのです。。。
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そこで思いついた方法は、強引かもしれませんが、
ドラムを精密研磨して傷を使用に問題ないレベルに浅くする
プロが見たらどう思うのでしょうかね(爆)
!!ご覧の皆さん、くれぐれも真似しないでくださいね!!
偏摩耗したカセットデッキのヘッド研磨ならまだしも、こういったドラムヘッドの研磨など本来はやらないことです。

私だって仕方なく研磨するのです。本当ならば交換したいですよ。。。

しかし、部品取り機のヘッドは音が出ないほど摩耗しており、ヘッドを生き返らせるしか
このウォークマンを救う方法がありません。

当然、部品なんてメーカーに何一つ残っていないのは明らかでしょう(泣)

研磨作業の詳細については、クレイジーな事をしているので伏せますm(__)m

早速ですが研磨後です。
傷がだいぶ薄くなり、爪で触っても引っ掛かり感も軽くなりました。
何より"バリ"を取り除いてなめらかにしたことに大きな意味があります。
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別の角度から
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残念ながら完全に傷を取ることは不可能です。
そこまで深く削ってしまうと、ドラムが変形して(真円でなくなって)別の問題が出そうなのでこの辺に留めておきます。

ドラムヘッドは回転すると薄い空気の幕(エアフィルムと呼ばれます)がテープとのすき間にできて
ドラムが回転しているときはテープはドラムの表面から浮いた状態(非接触)になっています。
この時、テープに接触しているのは磁気データを読み込むヘッドチップの先端だけです。
素人の考えですが、これくらいに傷を平滑化すればテープダメージは避けられるのではないかと考えています。


メカデッキも当初は、部品を移植して修理しようかと考えていましたが、下手に弄られており、さらに
蓋のオープンが異様に固かったり、ガタが来ているのは明白なので丸ごと交換することに切り替えます。

何だよ手抜きじゃねぇかっと思われるかもしれませんが、信頼性を考えてのASSY交換ですよ(^^;
実際に結構酷使された様子なので正解でしょう?

ニコイチ作戦決行中(爆)
左が移植するメカですが電池が液漏れした影響で錆ています。
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電池BOXは使い回して組み立てます。
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仮組みして、こんな感じで動作テスト中!
蓋検出SWの当りが悪いのか閉じてもOPEN表示が出るので、タイラップを噛まして無理やり押さえています(爆)
ノイズなく再生してきれいな音がイヤホンから聞こえました。
ただし、ドラムの回転音が「ジー」っと大きいですね。。手持ちの機と比べると気になります。
ボディに落下した痕跡があるので、その時ベアリングがダメージを受けたのかもしれません。
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さらに波形とエラーレートの確認をしたいと思います。
実はまだヘッドを載せ換えただけで調整を全くしてないのです。
それでもきちんと音が出るNT方式の読み取り能力は大したものです。

DATウォークマン WMD-DT1 仕上げ

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WMD-DT1 仕上げ編

蓋検出スイッチの交換

蓋がきちんと閉まっているにも関わらずOPENと表示され動作しない時があります。
スイッチの接触が良くないようですので部品取り機から移植しました。
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再生RF波形の確認
取り出しポイントにリード線をハンダ付けして引き延ばしています。
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こんな感じでした。
マージナルエリア(各波形の両端にあたる部分)がしっかりと出ているのでテープパスは問題なさそうです。
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エラーレートの確認
私の持っているDT1で同一テープを再生させて比べてみても大体同じぐらいの数値です。
問題ないと思います。
A-ch
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B-ch
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外装の修復
電池蓋ロック用のツメが折れて固定できない状態でしたので作成しました。
すぐに壊れなければ良いのですが(^^;
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表面の仕上げ
オリジナルではラバー調の塗装がしてありましたが、加水分解により例外なくベタベツキが発生し汚くなるのが
DT1の弱点でもあります。
本機は完全に剥げてしまい、テカテカと光って安っぽく見えてしまいます。
そこで塗装してみました。
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使用した塗料はこちら。
ボトムカバーはアルミ製のため通常のスプレー塗料では食い付きが悪く、爪でこすったぐらいで簡単にはがれてしまいます。
本来はミッチャクロン等のプライマーを使用すると良いのですが、高いので(汗)、これ1本でアルミに
直接塗れるというカラーアルミスプレーを使ってみました。
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表面の仕上げ用に使用しました。
通常の艶消しクリアーより品の良い仕上がりになります。
私のTCD-D3もベタツキを除去後これで塗装したところとても良い感じでした。
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早速、塗装完了したパーツですが、、、
オリジナルと風合いがかなり変わってしまったような気が・・・(爆)
表面が少しザラッとした感じになってしまいました。
TCD-D3の時はもう少し表面がなめらかでしたが、どうやら加減によるのですね。
当初のテカテカに比べれば高級感が出ていると思いますが、いかがでしょうか?
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パーツを装着するとこんな感じです。
なかなか良いのではないでしょうか?
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良く見るとポチポチとシミのようなものがありますが、これは塗料がしぶきのように噴射されたからです。
気温が低い時に缶スプレーで塗装するとガス圧が下がるためこのようになりやすいようです。
40℃位のお湯に漬けて缶を温めてから行うべきでした。。←塗装が得意な人なら常識でしょうね(笑)
冬の寒い時期の塗装は色々と条件が悪いので、できればやりたくないところです。。。
私は昔から塗装が苦手でノウハウもありません。どうか大目にみてくださいm(__)m

裏側は結構うまくできたと思っています。
艶消し黒の後、サテン調艶消しクリアーで重ね塗りしました。
実は中々大変でした。。。
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完成!
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ドラムの傷を見つけた時はどうしたものかと思いましたが、なんとか復活させることができました。
流石DAT!とても良い音を奏でております。
20年以上前にこのサイズで、この音が持ち歩けるウォークマンを作った当時のソニーの技術力は大したものです。

この先も動き続けて欲しいですね。

またTCD-D7を落とす(爆)

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前回TCD-D7の超ウルトラ級のジャンクを購入し部品取りの目的も果たせずに自爆しました。
実は・・・アレはアレで修復計画を立てていますが(爆)
 偶然ジャンク屋で同じ歯数・直径のギアを手に入れ、このギアをどうやって加工するか思案中です。

それでもマトモな機体も欲しいなと思っていたら、
私のジャンクアンテナに反応が(爆)
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2台セットなら納得の価格なので速攻でポチりました。
しかも付属品がたくさん付いてきます!
本体よりこっちの方が価値あるかもしれませんね?
特にリモコンはDATウォークマンのメンテの必需品なのです。
こんな形で手に入るとは思わなかったです。

勿論この2台は復活させるべく頑張ってみます(^^;

商品の到着が楽しみです。

TCD-D7の2台セットが到着

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先日オクで落としたTCD-D7のジャンクが到着しました。
早速確認します。

紙袋に入れただけの簡素な梱包です(^^;
しかもこれで80サイズの料金を請求されました。実際は60なのに(怒)
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エアパッキンを剥がして内容物を全部広げました。
幸い破損はないようですが・・・。
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まずは拡張アダプター(とでも言えば良いのだろうか?)
RMR-D100です。
コネクターのカバーが無かったのは完全に見落としてました(汗)
商品写真を良く見ると確かに無いですね。。。
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タイマースタンバイや赤外線リモコン、デジタル入出力が可能になりウォークマンが据置のデッキ
のように使えます。
これは便利です。
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ですが・・・・何故か裏側が焦げてます(爆)
そんなに発熱するのでしょうか?
中身が心配です。。。
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標準リモコンのRMT-D7です。
D3~D100まで全てに使用可能です。
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イヤホン付きの主に再生時に用いるリモコン。MDR-ED7
これは本当に探していました。今になって入手できたのはラッキーでした。
実はDATウォークマンの修理用治具として必要なのです。
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肝心の本体ですが、なんだかヤニ臭いですorz
洗剤で拭いてみるとまっ茶色になります。。。
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ぱんつを脱がしてみました(爆)
傷は少ないので清掃すれは綺麗になりそうです。
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一応電源を入れて確認です。
ここで無理は禁物で、正常動作しない場合は繰り返し動かさない方が良いです。
モードSWが接触不良のまま無理に動かすとギアが欠けるかもしれませんので。
通算で3台目なので3号機と呼ぶことにします。
蓋オープンは可能でした。
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が、コイツは重大な問題を抱えていました。
出口側のガイドブロックが外れて浮いています。
ドラムに当たったりしたら大惨事です。
危険なので、これ以上の通電は中止!!
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そして通算4台目のパンツをかぶっていた4号機です。
こちらは最初蓋オープン不可でしたが何度か試すうちに開くようになりました。
自分で無理に動かすの良くないと言っておきながら(^^;
やはりモードSWの接触不良があるようでOPEN後にモーターが迷走することがあります。
これ以上の動作確認は危険なのでこちらも通電禁止します。
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ちなみに2台共2000年5月に修理を受けていました。
表面実装コンデンサも交換されているとありがたいのですが、たぶんそのままでしょう(笑)
メーカー修理では症状が現れてないと基本的に対処されませんので。。。
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と、いうことで、D7が4台も集まってしまいました(爆)


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内訳:
左上:1号機 HOで約5年前に購入。
左下:2号機 オクで修理に失敗したジャンクを落札(現在、修理計画進行中)
右上:3号機 オクで2台組で落札
右下:4号機 同上

もう完全にアホです。
TCD-D3も5台もあるし・・・
最近DATウォークマンキ○ガイに近づいてるかも? すでになっているか(爆)

近いうちに位相合わせの方法等、少しは現役ユーザーの方に参考になる記事を掲載したいと思います。

TCD-D7 モードDギアの再生

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TCD-D7 ウルトラジャンク品 レストア計画
~第一章~

供給不能部品:モードDギアの再生

モードDギアは、ロータリーエンコーダーの接触不良によりモーターが暴走した場合や、位相がずれた状態
で組み立てた時などに欠けを起こしやすいようです。
このギアが欠けるとローディングモーターを回しても表側のカムギアBに伝達されないためエラーになります。

部品取り機もなく、仕方ないのでの私なりにギアの再生を試みてみます。
運よく秋葉原のジャンク屋で偶然同じ直径、歯数のギアを入手しました。
格安だったのでもっと欲しかったのですが同じものは2つしかありません。
せっかく入手できた部品を無駄にしたくないので、失敗しないように慎重に作業を行いました。

左:欠けたモードDギア  右:改造して使用するギア
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欠けたギアを良く見ると溶けていますが、これは半田ごてで樹脂を盛って復元できないかと試行錯誤した結果です。
まあ、無駄に終わりましたが(^^;
あまりに小さすぎてコテを当てると隣の歯まで溶けてしまう始末・・・そのためどんどん原形から離れていく。。。
さらに、繊維質の混ぜものが入っているためかドロドロにならず、パサパサした感じで盛ってもすぐに取れてしまいます。
溶着作戦は見事撃沈です。。。

破損したギアを重ねてみるとこの通りぴったり同じサイズです。
店頭で現物合わせして買いましたから当然ですが(^^;
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因みに直径は約7.1mm、山数は16山。
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入手したギアは厚みが2倍以上あり、うまく2枚にスライス出来れば2つの再生ギアを作成できそうです。
でも、失敗すると2枚とも使えなくなるリスクもありますね。
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カッターナイフでシコシコと時間を掛けて真っ二つにしました(爆)
・・・疲れたorz。
結果、何とかうまくスライスできたと思います。
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このままでは厚すぎるのでやすりで薄くします。(厚さ1mm位)
左:元の部品 中央2つ:研磨して薄くしたギア 右:芯の部品(加工後)
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作成したギアは2ピース構成となっています。
芯の部分は破損したギアの不要部分を削り落して再利用しました(笑)
そして先端1mm程を細くしてギアの穴にすっぽり入るように加工します。
双方とも接着剤で付かない材質のため、このように嵌め合うしか固定する方法がないと考えたからです。
上からポリワッシャで固定されるので装着後に外れることはないと思います。
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芯と合体させた状態。
自分で言うのアレですが、なかなかうまくできたと思います(^^;
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実際にメカデッキに取り付けるとこんな感じです。
ギアが厚いと右隣のギアと擦れるのでダメです。
※ブレーキパッドが破壊されているのは私の仕業ではありません(^^; これも直さないと・・・。
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あとは強度がどんなものか気になるところです。
このギアの材質はポリアセタール(ガラス繊維入り)と思われます。
TCD-D3の最初期タイプでは白いギアが使われていますが、それ以降は黒いギアに変更されていますね。
欠けた黒いギアもガラス繊維強化タイプに見えます。。

しかし実際に動かすには、さらにメカの修理、回路基板の修理を行わないとなりません。

~TCD-D7 ウルトラジャンク品レストア計画 次回へつづく~

TCD-D7 メイン基板の復元

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TCD-D7 ウルトラジャンク品 レストア計画
~第二章~

メイン基板の復(コンデンサ交換)

TCD-D7は面実装タイプの電解コンデンサが使用されておりますが、この時期特有のコンデンサの欠陥により
液漏れが必ず発生します。
過去にメーカー修理等で交換されていない場合は、すでに液漏れが進行していると考えて良いと思います。

よって、D7を使い続ける上でコンデンサ交換は必須項目となります。

修理前のメイン基板はこんなです。
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前オーナーが修理に挑戦したらしく、全てのコンデンサが無理やりリードタイプに交換されていました。
ハンダ付けの汚さも目立ちますが、高さが限られているのでメカデッキに当ったり、力が加わったりして
パターンが剥離する危険性があるためやり直しました。
リードタイプでも上記の懸念がないなら問題ないかと思います。
でも、やはりスペースがぎりぎりとなるので、なるべく面実装品を取り付けた方が良いです。
それに見た目も良くないですし(笑)

全てのケミコンを撤去し、漏れた電解液が付着しているので基板洗浄液に漬け込んで洗います。
液漏れした基板はこのように洗浄を行う必要性が出てきます。
取り外す際にハンダコテにぶつかる部品や、洗浄したくない部品はあらかじめ外しておきましょう。
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洗浄完了後の基板
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パターンがズタズタなのは直りませんので仕方ないですね。。。
幸い切れたり剥がしたりしていませんので・・・。
コテを基板に押し当てるからこうなります。
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コンデンサを全て実装しました。
部品が密集していて結構大変です。。
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コンデンサを取り付ける順番を考えておかないとコテを当てることが出来なくなりますのでご注意ください(笑)
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この部分は本来、伏せ型の面実装コンデンサが使われていましたが、すでに生産されていないようです。
部品店でも販売されていません。(あっても古い在庫は怖くて買えない(^^;
3226のチップタンタルがパッドにちょうど乗るサイズなので代替品として使ってみました。
若干コツが必要ですがこのように問題なく実装できます。
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とりあえずこれで基板は復元されました。
次は、メカデッキを整備して実際に動作できるかの確認です。

S-VHSビデオ 東芝 A-V70

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これ一体何に見えますか?

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実はこれビデオデッキです(爆)
えっ?ビデオには見えない?、そう思われても当然でしょう(笑)
惚れ惚れするほど美しいデザインだと思いませんか???
今となっては飾りでも、ラックに入っているだけで幸せな気分になりそうです(^^;
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私はこのアナログメーター装備の東芝S-VHSが特に好きでした。
もう10年以上前ですがA-ES1を2台使っていたこともあります。
確か屋根裏の物置にまだあるはず(^^;

何といってもカセットデッキのようなアナログメーターの装備がこのシリーズ最大の特徴(?)でしょう。
東芝のVCRではA-VS1、ES1、V70、L91の4機種がアナログメーターを装備しています。
他社ではPanasonicのNV-FS65(こちらの方が有名?)があります。

A-ES1の後継機であるA-V70のジャンクを見つけたので思わず懐かしくなり入手してしまいました。。
早速ボンネットを外して内部を見てみます。
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メカデッキは旧来のものです。
このメカは東芝がVHSに参入した84年から89年頃まで長らく使用されていました。
ですが、基本的な設計はJVC(日本ビクター)であると考えています。
1983年に発売のHiFi初代機HR-D725に使用のメカと構造が酷似しているためです。
憶測ですが、東芝はVHSに参入したてで、一からメカの設計がまだ出来なかったためJVCから設計資料や金型を融通してもらっていたのではないかと思います。
単なるOEMとは違い、リール専用モーターを設けたり東芝側で改良して(改悪も(^^;作り上げられています。
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動作不良の原因の一つ、右上にあるローディング用ベルトは当然切れていました。
しかもこのベルトはドロドロに溶けるタイプで掃除がやっかいです。。。
ちなみにサイズは内径30mmX1.6mm角がピッタリです。

メカデッキを裏側から見ます。
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DATのメカを思い起こすリングギアを使用したローディング機構部は、同時期の他社で採用しているところは
なかったと思います。
それだけ設計が古いメカであることが伺えますね。。。。
ですが東芝は、この旧式メカを用いながら動作シーケンスの変更で、一番乗りでVHSのフルローディング化を成し遂げます。
他社はハーフローディング付きの新メカを開発する中、元ベータファミリーであった東芝は一気にフルローディングへ移行しました。
とはいってもモード切り替えが遅かったのでベータのような操作レスポンスには程遠い操作感でした。。。

バラバラにしてメンテ開始・・・。
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東芝オリジナルの改悪ポイント、接点式モードSWです。
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HR-D725等のJVCメカではLEDとフォトダイオードによる非接触光学検出で信頼性の高い構造でした。
しかし東芝はこれを接点式に置き換えたため、摩耗や汚れにより誤動作が必ず起こるようになってしまいました。
写真の様に経年変化で銀メッキが硫化により変色してきております。

モードSWは東芝に限らず、古いビデオでは必ずメンテすべき部品です。
模型用の極細コンパウンドで綺麗にして接点用グリスを塗布してあげれば、交換しなくても数年間問題なく使えてしまいます。
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この機種もおなじみの面実装コンデンサが液漏れで死亡しています。
当然全て交換しました。
キャプスタンモーターに3つ。
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ドラムモーター駆動回路に3つ
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ピンチローラーとアイドラのゴムは表面が硬化していたためホニャララしました(爆)
本来なら新品に交換したいところですが・・・さすがに部品が残っていません。
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位相合わせの方法も一応載せておきます。
でも、今時こんな古いビデオデッキを弄る方などいないかな?
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緑の丸はギアの穴とシャーシの穴が一致し、貫通した状態です。
左側から合わせていきます。

古い機種では電源部のメンテナンスも必要です。
本機の場合、電源を入れると「キーン」とかすかに異音が聞こえています。
埃が積って汚いですから掃除も行いましょう。。。
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いくつか容量抜けが見つかりましたので交換しました。
これにより異音も消えました。
主犯核は25V220uFですね。(画ノイズが出る場合の原因もコイツです)
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各部を清掃しメカデッキを本体に戻します。
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これで動作を取り戻しました。
ウィーンとうるさいけど懐かしい動作音です(笑)
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画質もなかなか良いです。
かなり解像度志向で細部までつぶれずに表現してます。
そのため今時の大画面テレビでも結構見れます。
まあ、S-VHSには変わりありませんが(笑)

明りを落として眺めるアナログメーターがたまりませんねぇ(笑)
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こんなにかっこいいレコーダーはもう二度と作られることはないでしょう。。。

古いCDプレーヤーってもうバクチだね

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私、古いCDプレーヤーが好きです。
いつも面白い機種がないかなとドフでは必ずチェックしています。
コイツは先日1000円で衝動的に購入してしまいました。
ONKYOのC-701Xです。

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※修理途中につきトレイは外しています

でもちょっと後悔しています。。。
定価89,800円とそれなりの値段なのに、シングルDACだったとは拍子抜けです。
売りである光結合を除けば、398クラスの機種とほとんど同じ内容じゃないですか(^^;

持った時のずっしりした重さも、底面に張り付いたXスタビライザーとかいう重りのおかげです(笑)
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T-445XXもこれが付いて重かったなぁ・・・。
これシャーシがペナなので、補強しないとたわむからなのかもしれません(爆)

確認症状:
CDの出し入れは問題なし、ディスクをセットしても全く読もうとせず、スピンドルも回転しません。
レンズ汚れかな~と、ボンネットカバーを外して確認すると・・・
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そのままとは思えない綺麗さです。
しっかり清掃済みでした。
なんだか嫌な予感がします(^^;

メカ部は簡単に外れます。
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回転しない原因その1
スピンドルモーターの軸が固着してかなり重いです。
オイル切れで軸受が焼きついてしまったのでしょうか・・?
とりあえず、メタル軸受にオイルを差して、1時間ほど安定化電源から3Vぐらいを供給し慣らし運転させました。
これでスムーズに回るようになってくれました。

CRC5-56とかはすぐに揮発して効果が持続しませんのでダメです。
モーターのメタル軸受にはこれが適しています。
http://www.tamiya.com/japan/products/product_info_ex.html?products_id=53508
実売で700円ぐらいだったかと思います。

回転しない原因その2
電源を入れてもフォーカスサーチ動作(レンズが3回ぐらい上下動するヤツ)しない。
さらに、レーザーが常時発光しています。
(危険ですから直視してはいけません。デジカメ等を通して確認してください。)

これはスレッドギアが原点まで戻ってもさらに回そうとするため、ギア同士が噛んでしまい動けない状況でした。
その原因は、下の写真の原点検出SWの接触不良です。
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このSWをたたいても全く反応がありません。(テスターにて)
完全に不良化しています。
DATの修理でもこのSW(ALPS製)には良い思い出がありません。。。

精密マイナスドライバーで左右の爪をコジって分解します。
折らないように慎重に・・・。
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ご覧のように真っ黒です。
前所有者に接点復活剤のようなものをかけられてギトついていますが、無意味だったようです。
清掃して接点グリスを塗って組立て、正常に反応することをテスターで確認し元に戻します。

これで復活かと思いきや、そう甘くはありませんでした!
全くTOCを読みません。

レーザーピックアップが寿命のようです。。。

KSS-152A、すでに手に入りません。あってもぶったまげるほどのプレミア価格・・・。
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最後の悪あがきで例のボリュームを弄ってみましたが読めるまで改善しません。
オシロで確認してもアイパターンすら見えません。。。
もはや完全にご臨終してますorz
WEBで調べるとKSS-123Aと互換性があるようです。
123なら昔NECのプレーヤーから取ったものが保管してあるはずです。
探し出して換装してみますかね。

中にはレーザーダイオード単体で交換をしているツワモノも調べるといらっしゃいます。
すばらしい方法だと感心しますが、見よう見真似でやっても成功する確率は低いかと思います。
LDは静電気や熱に物凄く敏感だからです。そこらへんの対策から考えないと。

やっぱり古ーいCDプレーヤーに手を出すとレーザーNGのリスクは避けられません。
もう、そういう年式になってきているということですねぇ。

オクとかでものすごい値段で落としている方々は、いったいどうしているんだろう???

AVセレクタの変わった使い道

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こんなものも先日購入しました。
VCS-63AというSONYの業務用AVセレクターです。
ちょっと意外な使い方が出来そうと思って買ってみました。
アンプを通さないパッシブ型なので音質の変化もほとんどないはずです。
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さすが業務用、真中にボタンのみという、実にシンプルな面をしております(爆)
まるで店頭の試聴用セレクターです。

裏側は結構にごちゃごちゃしています。
映像入力はBNC端子なので、RCAの変換アダプターを使う分だけ用意しないといけませんね。。。
音声・映像それぞれ1系統の分配機能があり、セレクターに関係なく他の機器に信号を渡せるのは
家庭用にはない機能です。
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映像側には75オームの終端機能もあります。
これも業務用ならではの装備でしょう。
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蓋を外して内部を見てみました。
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・・・ほとんど空間です(爆)

パッシブ型ですからスイッチしかないのは分かっていましたが・・・。
スイッチも特に高級品ではない普通のものです。
作りは民生品とあんまり変わらないのですね。
ただ配線やら端子のハンダ付けなんかは手作業で手間が掛かっている印象です。


さて、これを一体何に使おうと考えているかと言いますと、それは・・・

CDP専用デジアナ同時セレクターです。

音声はもちろんのこと映像、つまりは75オームの規格で伝送される信号=同軸デジタル音声に最適と考えたのです。
ボタン1つでCDPのアナログ音声とデジタル音声が同時に切り替わります。
これって便利じゃないですか(^^;
しかも6台も接続できます。必要十分です。
映像端子を使わなければ普通のセレクターです。但しRECアウトはありませんが。

これで540円でしたから良い買い物でした(笑)

本日のドフ

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定例のドフパトロールに出動しました(爆)

まずは1件目

購入
AXIA PS-1K 30分 54円
KENWOOD RC-P80 CDプレーヤーのリモコン(恐らく) 108円
アロンアルファ剥がし隊 54円

新入荷なブツ
Victor XL-Z521 再生OK 3,240円
Victor XL-V313 再生OK飛びやすい 2,700円 
TEAC W-580R 録再出来た 6,480円 ←?? 高すぎでしょ
PIONEER PDR-D50 録音すると10分でフリーズする? 5,400円
Victor TD-WR803 録再出来た 1,620円 ←何とD.D.です、でも日本語表記でダサすぎ

どれもイマイチですし、高いです。
AU-555A 3,240円はまだ売れませんねぇ。。

2件目
携帯のカメラなので画質クソですがご容赦を(^^;
もうジャンクオーディオ機器少なすぎ・・・。

Victor TD-V731 10,800円
PIONEER TX-810 1,080円
GX-Z5300 NG 1,620円

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こちらもそそるブツはありませんでした。
チューナーは安いかも?他は高すぎ。

購入 
トランジスタ各種 一袋27円 計21袋購入

ドフでこんなものが出るとはビックリです。。。
個人で持っていたというより、恐らくどこかの企業の放出品でしょうね。
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他にテクトロの波形撮影アダプタ(管面をポラロイドカメラで撮影するもの)や波形モニタとか置いてありました。
これらも電子機器の設計・製造をしていた企業の放出品かな?
もっと早く行けばさらに面白いものがあったのかもしれませんが・・・。


最後にダイソーへ寄ってハイポジのカセットテープを買って撤収。
ノーマルテープしか見つからない昨今で、唯一現行品で入手可能なハイポジはこれだけなのです。
こちらのドフでは最近ハイポジすら遭遇しませんので。。。
ハーフの作りは安っぽいけど良いデッキで録音すれば十分使える音質だと思います。

本日の成果
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購入したトランジスタの内訳はこんなです。
アンプの修理等に使えそうなものだけ選んで買ってきました。
秋葉原でも手に入らないものがたくさんあるかと思います。
全てディスコンのデバイスで、貴重といえば貴重ですがこの先役に立つかどうかは(^^;
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海外のビンテージオーディオファンはハイレベルだった!

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情報を集めるためWeb上を渡り歩いていたら見つけた
フランスのビンテージCDプレーヤーの愛好家のサイトです。
http://vintage-audio-laser.com/

フランス語で読めませんがこちらの修理記をご覧になってみてください。
http://vintage-audio-laser.com/-L-atelier-

何としても現代に蘇らせてやる!、この修理記を見ているとそんな気概が伝わってきます。
彼らのCDプレーヤーに対する愛情は相当なものです。

入手不可能な部品が壊れていたらどうしますか?
それなら自分たちで作ってしまおう!!
http://vintage-audio-laser.com/A-l-atelier-page-64
http://vintage-audio-laser.com/sony/cdp101/cdp-101_poa6922_pop.html

本当にそれを実現しております。
もう脱帽であります。。

まさに本当の意味の“レストア”と呼べる内容です。
私のような貧乏人と違い、趣味に資金を潤沢につぎ込める人たちなのだと思いますが、
その行動力に大いに評価すべきです。

欧米の人たちはクラシックカーやバイクに代表されるように、古くても良いモノを大切にする文化がありますが
オーディオでも同じでした。

ニコイチやら、部品取りやらで、貴重な資源を食いつぶすような修理しかできない、
自分のやっている事が低レベルで恥ずかしくなってきます。。。

彼らの元に渡った機器達は、きっと幸運なんだろうなぁと感じます。
私も少しでも近づけるように努力していきたいところです。。

ひたすらケミコンを替える1日

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SONYのHi8のビデオデッキ EV-S2500です。
これは少し前に友人から引っ越しの整理品として頂きました。
当時新品で買ったものだそうですが、古い物ですし、当然壊れているらしいのですが(笑)

修理に出した事もないみたいですから、コンデンサーは死んでいるだろうなと目星は付けていましたが、
数が半端ないですね、これ(笑)
もちろん全滅で基板もかなりダメージを受けています。
スルーホールの導通が無かったり、さらには液漏れの影響でショートしたのか基板が炭化してたり(^^;
ケミコンを張り替えてもちゃんと動くのか正直わかりません(爆)

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(追記)

部品の焼損でもないのになぜ基板が炭化したのか?
その原因について詳しく解説している記事を見つけました。
参考 http://ednjapan.com/edn/articles/1303/04/news002.html

炭化のメカニズムは上の事例とよく似ており、
やはりケミコンの液漏れが引き起こした事故であると考え、次のように推測します。

漏れ出たケミコンの電解液がレジスト塗料を侵し、配線パターンの銅箔を露出させて溶かす
                        
銅イオンを含んだ電解液により+5V、GNDのパターン間に電流が流れ、ジュール熱が発生しガラエポ基板が焼損

焼損してカーボン化している部分は導電性を持っています。
そのままではショートの危険性があるため炭化部分をカッターナイフで完全に削り取っています。
この基板は2層基板で内層パターンは無いのでこれで問題ないとは思いますが、
メーカーではこのような補修は多分出来ない(やれない)と思います・・・。
つまり、替えの基板が無いので修理不能です。
私は自分で使うつもりでおりますから自己責任にて行っています。
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ヘッドプリアンプもダダ漏れで全滅。
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全部で何と42個もありやがります。。。
文句言っても仕方ないので、基板洗って張り替えましたよ。もちろん基板の補修も行ってます。
さすがにこれだけやると目が痛くなってきます(^^;
パーツ箱の在庫が一気に減りましたので補充しておかないと・・・。
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電源基板も4級塩の液漏れキングとも言える、ELNAのLongLifeが・・・。
まだそれほど酷くなってなかったので助かりました。
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古い低インピーダンス品のコンデンサを全て交換しました。
この部分のコンデンサ、低ESRの中でもそれなりに性能の高い物を選ばないとまともに動かないみたいですね。
エルナーRSGの代替にはインピーダンスや許容リプル電流を考慮して日ケミのKZEを使っています。
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ここまで作業して、あとは組み立てればやっと電源を入れられます。
ですが、今日は疲れたのでまた後日にします(^^;

ミツミ製のDATメカニズム

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部品メーカーがセットメーカー向けに販売していたDAT用メカニズムです。
こうしたメカの採用は、メカを自社で開発出来ないメーカーはもちろんのこと、開発期間の短縮ができて
コストダウンにも好適だったのではないかと思います

ポータブルDAT用メカデッキ DK4-ZS2006型
CASIOのDA-R100、DENONのDTR-80Pがこのメカを採用しているようです。
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こちらは据え置き型
(トップローディングなら可搬型にも使えそうですが)
このメカを採用した製品は見たことがありませんが存在したのでしょうか。。
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他にアルプス電気もDAT用メカを販売していました。
TEACのデッキはアルプス製メカだとか???
カセットデッキでは採用実績がたくさんある、三協精機もDATメカを作っていたんでしょうか。

アルプス電気のDAT、カセット用メカニズム

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部品メーカー製DAT・カセット用メカデッキ、今回はアルプス電気を紹介します。
アルプス電気も色々なメカ完成品を作ってセットメーカーへ供給していたようです。

DAT用メカニズム DMRAシリーズ

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オートリバースカセット用メカ CMABシリーズ

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カセット用メカ CAMYマークIII

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Hi8 EV-S2500 復活

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先日から修理を行っているEV-S2500、復活しました。
メカは生きており、コンデンサーの交換と基板の補修だけで済みました。

操作パネルのボタン誤動作
操作パネルのボタンが本来の動作とは全然違う、例えば巻き戻しボタンで早送りになったり、
それどころか再生を押すと録画を始めます(爆)
全くデタラメなデッキです(^^;
これでは恐ろしくて使い物になりません。
でもこの症状、このシリーズ定番の故障なんですよね。

操作パネルから伸びているフレキケーブルとコネクタとの接触が悪くなっていたみたいで、
端子部分をアルコールで拭いて差し直したら完治しました。
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点検 その1
スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)が液漏れのため交換しました。
予約内容や時計の停電時バックアップ用にため、ダメになってもバックアップされないだけで動作には支障ありません。
しかし、そのまま放って置けばさらに液漏れして基板の配線パターンを道ずれにすることがあります。
液漏れしていたら取っ払ってしまった方が良いでしょう。
たまたま手持ちに同じ部品があったので交換しましたが、今後予約録画することはないと思われます(爆)
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点検 その2
VI-104基板にも液漏れのコンデンサーがあるので有無を言わさず交換です。
コイツも放って置けばさらに液漏れがひどくなり被害が広がります。
電源部で使われていたのと同じELNAのLongLife(RSG)です。
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メカはそこそこ使いこまれた感じですが故障はしていませんでした。
ピンチローラー等の消耗品は出来れば交換したいところですが・・・。
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実は最初映像が全く出なくて焦りましたが、ヘッドのクリーニングで回復しました。
Hi8テープに閉じ込められた、18年前の懐かしい映像がよみがえりました。
TBC、DNRをONにしても正常に動作していますのでDI-46基板の修復は成功です。
ただコンデンサを張り替えるだけでなく、入念にパターンの点検をした甲斐がありました(^^;
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画は、甘いですね。S-VHSの方がきれいです。
まあブラウン管で映すべきなのにハイビジョンTVのプラズマで視聴しているから余計にそう感じるのですが(笑)
デジタルTBCの効果はそれなりにあるようで、OFFにすると画像がジリジリします。
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ちなみに再生しているこのテープも一緒に貰ってきたものなんですけどね。
おかげで今となっては貴重な動作する8mmビデオデッキが確保できました。
昔ハンディカムで録ったテープの再生用に置いておきます。

オシロスコープ 菊水 COM7100Aの修理

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普段使用しているオシロスコープが1ヶ月ほど前から不調になりました。
リードアウト付きでアナログとしては最後の世代?にあたるはずですが、それでも20年以上経過した製品です。
でも、オーディオやビデオ機器の修理にはやっぱりアナログが使いやすいんですよね。
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危険!高電圧注意
ブラウン管を使用した機器は、内部に数万ボルトの電圧が掛かっています。
通電中に触れてしまえば指に穴があいたり、最悪、ショック死に至る危険性があります。
例え電源を切っていてもCRTのアノードには高電圧が残留しているため注意が必要です。

知識のない方は絶対に分解してはいけません。
もし分解する場合は全てご自身の判断と責任の上で作業してください。
万一、事故が生じても当方は一切の責任を負いかねます。予めご了承下さい。

故障の症状は、水平の振幅が狭くなって、時間軸が圧縮された状態で表示されてしまいます。
垂直は正常で、電圧は正確に読み取れますが、周期は縮んでいる為マス目に対して正確に表示されません。
しばらくこの状態で波形の確認のみに使っていましたが、いつまでも放って置くわけにはいかないですから。
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本体の校正用1KHz波形を表示させてもマス目に一致しません。
(このオシロは周波数カウンター機能を内蔵し、信号は正しく1KHzを示しています)
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水平の偏向回路、恐らく最終のドライブトランジスターの能力低下か?とアタリを付けて本体を分解します。
この左側に刺さっている基板が垂直&水平のドライブを行っているA5基板です。
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ケースを外した状態でテストしていたところ、なんと症状が改善しているではありませんか?
試しに基板のトランジスタが取り付けられたヒートシンクの部分をドライバの柄でたたくと、輝線が縮んだり
正常に戻ったりしています。
原因はこの基板の接触不良の可能性が濃厚となりました。
もしそうなら水平偏向トランジスターは死んでなさそうです。
しかし叩くと直ると言えば、昔のテレビと全く同じですね(^^;

基板を抜いてハンダ面を確認すると、やっぱりありました、ハンダクラックです。
でもトランジスタの足ではなく、上の写真の220オームの抵抗のハンダ付けです。
実際この抵抗は動作中かなりの熱を発しています。
長年の使用による温度ストレス(熱膨張、収縮の繰り返して起きる疲労)でクラックが生じたようです。
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抵抗4本ともハンダが劣化していましたので一度全て吸い取り、新たにハンダ付けし直します。
220オーム抵抗を2本直列に経由した後、空芯コイルを経てCRTの電極に繋がっています。
ハンダクラックによる接触不良で抵抗値が上がったことが今回の不具合の原因とみてます。
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元通りに組み立ててテストしてみたら、バッチリ直りました!
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校正信号を入力して周期も正確に表示できています。
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信号発生器からAM変調の波形を表示させてみました。
やっぱりアナログは波形がきれいで見やすく好感が持てます。
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完全に組立後、1時間以上ウォームアップさせてから自己校正を実施しました。
(とても便利な機能で、マイコンが自動的に感度誤差等を補正してくれます。)

コイツにはまだまだ頑張ってもらうつもりです。

DENON DTR-80P 音は出るようになったけど・・・

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今日はDENONのポータブルDATレコーダーDTR-80Pを修理しています。
先に手を付けるのは他のものだろ!って突っ込みは無しで(爆)
いや、初めて触るので興味が先行してしまいまして(笑)
基板の修理で直れば楽勝だ!、なんて甘く考えた自分が馬鹿でした(^^;

早速、内部を観察します。

まずはメカの状態。
ドラムにカビのような汚れが付着しています。
一応クリーニングで取れましたが、結露の影響でしょうか??
ピンチローラーはまだ大丈夫です。
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裏蓋を外して最初の基板です。
問題が2か所見つかりました。

その1:スイッチの破損
その2:止めねじの欠損

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これはちょっと直せませんねぇ。
交換するにも同じ部品が手に入ると思えませんし。。。
どうしましょうか??
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さらに、基板を外して裏返して観察すると・・・
全てのケミコンが外されています、これは別に良いのですが、実は他にも部品の欠損があります。
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チップトランジスタが剥がれて欠損していました。
何かドライバ等で当てたりしてませんか?
以前の画像からこのトランジスタのマーキングが「FR」であることを確認し、調べると
ロームの2SA1576Aであると突き止めました。
そして2SA1576Aを秋葉原で入手することができましたので事なきを得ました・・・。
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これで無事解決です。
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基板はコンデンサー液漏れの影響で腐食が見られます。
パターンを点検しながら新しいコンデンサーの実装作業を進めていきます。
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軽く清掃した後です。
実はこの部分のスルーホールが断線していました。(音が出ない原因です)
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裏側のDACに繋がっていました。
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このように光にかざすと、腐食してパターンと導通していない事が見てとれると思います。
ケミコン液漏れでやられた基板はこのタイプの断線がけっこう多いので注意が必要です。
実装する前に舐めるようにして点検しないと見逃しやすく、本当にやっかいです。
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断線したホールにメッキ線を入れて補修します。
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裏側
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基板の補修とコンデンサの交換が終了した基板です。
伏せ型のチップケミコンは入手できないのでチップタンタルコンデンサで置き換えています。
最初からそうであったみたいで、ほとんど違和感ないと思いません?
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これで組み立てて動作テストしたらバッチリ大きな音で聴けるように回復しました。
やはりパターン断線が音出ずの犯人だったようです。

しかし、再生音はテープパス不良のようなノイズが乗る時があります。
病み上がりのMyオシロでテープパスチェックします(^^;

再生RF波形の取り出しポイント
スイッチングパルスは1枚目の基板にある「DRMP2」」から取り出します。
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こんな感じで大きくズレてはいません。
それでもノイズが出るので微調整を行ってみました。
※マニュアルがないので基準テープを使用しての調整ではありません。
とりあえず症状が改善するかどうかの確認なので・・・。
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あまり変わりませんが調整後の波形です。
ですが、ノイズの入る頻度は減りましたが完全にノイズが収まってくれません。
特にLPモードで録ったテープは大体ノイズが入ります。
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あと考えられるのは、
1,ヘッド摩耗
2.走行系(バックテンション等)の不良
3.回路故障

もしヘッド摩耗なら手に負えません。

今回も難物の予感です(汗)

DTR-80P ヘッド不良確定

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DTR-80Pで録音したテープをDTC-ZA5ESで再生させてみます。
音声にはチリチリとノイズが入ります。
エラーレートは常時こんな感じでAヘッドのエラーが400以上カウントし明らかに異常です。
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DTR-80Pで録音したテープを他のDATデッキで再生した時のRF波形です。
Aヘッドの波形が小さく、ヘッド摩耗による影響が現れています。
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ヘッド不良が確定です。

DTR-80Pに採用されているメカは以前紹介したミツミ製です。
とてもシンプルな構造で信頼性に優れている印象を受けます。
実際、ヘッドが擦り減るほど使われても致命的な故障をしていません。
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カセットデッキ PIONEER CT-570の修理

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なんてことない、ありふれた2ヘッドデッキです。
先日H/Oで見つけて、一度見送ったのですがある方のオススメ(?)もあり買ってみました。お値段は千円。
システムコンポ「ALL DAYS COMPO」の構成品だったみたいです。
デザインは何というか同年代、そして国産品とは思えない、まるで欧州の製品のような雰囲気をしています。
以前、同デザインのチューナーF-570を使っていたことがありましたがこちらは大した性能ではなかったです。

ボンネットを開けて内部を見てみます。
ちなみに、カバーの止めビスは底面にあります。
そのため左右にはビスが見えません。これもデザイナーのコダワリでしょうか。
まるでApple製品みたいですね・・・。
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基板には各ブロックの記載があり、さらには調整箇所もご丁寧にシルク印字されています。
信号の流れを目で追って、カセットデッキの仕組み理解する教材としても最適かもしれないですね(笑)
あと調整箇所がすぐわかるのは修理時に非常に助かります。

さて、このデッキの故障症状ですが、テープを入れてもキャプスタンが回っていないのは店頭で確認しており、
思った通りベルトの溶断でした。
さらに、リールの駆動トルクも弱いのでアイドラーも劣化しているようです。

ビス計4本を外しメカデッキ部分を取り外します。
フロントパネルの内側に2本隠れています。
ケーブルはコネクターで接続されているので取り外しは楽な方です。
ベルト交換を行うためフライホイールにアクセスします。
順序:
0、キャプスタン軸に嵌めてあるワッシャ(オイルシール)をあらかじめ外しておく。
1、基板を外しキャプスタンモーターを時計周りにひねって外す。(ゴムブッシュを大穴の方にずらして抜く)
2、ポテンショメータ(ボリューム)を外す。(フライホイール固定板に干渉するので)
3、固定板の取付ビスを外してフライホイールを垂直に抜き取る。軸受に板ばねとワッシャが挟んであるので注意。
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フライホイールにはベルトが溶解して妖怪ベトベトンと化しています(^^;
コイツの始末は何度やっても苦痛以外の何物でもないですねぇ~。
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こうやって張り付いているのはまだ良いのです。
やっかいなのは、残っていた切れっぱしが床に落ちて、知らない内に踏みつけてしまうことです(爆)
家中に汚れが広がってしまいます。(私も経験あり)
必ず新聞紙等を広げて、汚れても良い服装で作業しましょう。

プラスチック製のヘラでこそぎ落として、アルコール等できれいに除去します。
モーター側のプーリーも同様に除去します。
このフライホイールは重量250gありズシリと重いです。
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新しいベルトを装着して逆の手順で組み立てます。
ベルトサイズはφ65mmが適合します。

お次はアイドラーを復活させます。
Eリングで止まっていますのでふっ飛ばさないように注意です。
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表面は硬化してカチカチになっています。さらには長期間モーターに押しつけられていたため跡が付いています。
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表面の硬化した層をやすりで削り落してグリップを回復させます。
本来は交換ですが、補修部品の入手は当然ながら出来ませんし、代替パーツも手持ちにありません。
その場しのぎ的な方法であまり良い修理方法ではありませんが、やむを得ません。

研磨後ですが、ゴムの劣化が思ったより進んでいて亀裂も入っています。
近いうちに交換が必要ですね。。イメージ 8

アイドラのサイズは、外径17x内径12x厚み3mm(多少誤差あるかも)でした。
今回は結構削ったため外径が16.7mmと小さくなってしまいました。。

以上で一応メカのメンテ(と言えるか別ですが?)は終了です。
最後に走行系の清掃を行います。
ヘッドはきれいで摩耗もそれほどしていません。
ヘッドにシールが貼られてないのはちょっと残念?補修用の部品にでも交換されているのかな?
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以上の作業を行い動作を取り戻しました。一通り動作しております。
インチキ処置をしたアイドラーもスリップせず、今のところトルクも十分です。
ただし長続きはしないと思いますが・・・。
FF時
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REW時
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テープスピードも少し遅く感じたので調整しました。
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ヘッドアジマスの確認をします。
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アジマスはズレていない様子でしたのでそのままにしておきました。

最後に外装を、特にボタン類のプラメッキが錆でひどい有様です。
これはちょっと触るのも憚られますね。
この年代のパイオニア製はプラメッキが多用され、避けられない問題みたいです。
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私はプラメッキの錆除去にはクレンザーを使用しています。
台所にあるカネヨとかの普通のクレンザーです。
コンパウンドで磨くと粒子が細かいため、不自然にツヤが出てあまり良い仕上がりになりません。
まるで使い込こまれてテカリが出たような感じになります。
クレンザーだとそのような事はなく、ザラザラした錆だけを落としてくれます。

クレンザーで洗った後ですが、錆の根が深いためか思ったよりきれいになりませんでした。
ん~、これは仕方ないですかね。。
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早速使ってみました。
音質も2ヘッドだし、正直全く期待していなかったのですが、これが中々良い音でビックリです。
安物デッキにありがちなこもった感じは皆無です。
良い録音のテープを掛ければ下手な3ヘッド機より再生音は上ですよ。
いやホント恐れ入りました。。2ヘッドだからって馬鹿に出来ませんね!
だからカセットデッキは奥が深いのかもしれません。

テープ残量窓のエメラルドグリーンのライトがとても綺麗です。
シャンパンゴールドのフェイスと相まって実に優雅なデザインです。
機能もたくさんボタンもたくさんの機種に惹かれますが、こういったシンプルな製品も魅力がありますね。

買って良かったです(^^;
カセットデッキの魅力を再発見できたデッキでした。
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DATのデジタルI/O CXD1146Q

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ソニーの懇談会仕様DATデッキのプロテクトは完璧なまでに徹底しています。
なぜなら、デジタルI/OのICその物にコピープロテクト機能が実装されているからです。
コピー禁止符号を含む信号が入力されるとデータを強制的に”0”にしてしまいます。
懇談会仕様のDATデッキでは、どうあがいてもコピー禁止符号を取り除かない限り録音はできないのです。
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