かなり弄られて放出された機体のようで、部品がことごとく破壊されていました。
中でも一番大きなダメージは、ドラムに大きな傷が入っていることです。
これではテープを入れたくないですよね(^^;
とりあえずはドラムをメカデッキから外しました。
ハンダ4か所を吸い取って、シャーシに当てないよう慎重に持ち上げます。
このドラムは非常に小型で (直径17mm) 1円玉よりもサイズが小さいです。
ちなみにTCD-D3/D7/D8だと、さらに小径な15mmのドラムになります。
傷の状態を確認します。
いやぁ、本当に酷いですね。。。どうすればこんな傷を付けるのかな?
硬く尖ったものでえぐられたような深い傷です。
やっぱりポストの高さを弄った時にスベッて、工具を思いっきりヒットさせたとしか考えられません。
傷には盛り上がっている部分(バリ)があり、このままだとテープを痛める恐れがあります。
また、爪で触ってみても大きな引っ掛かりを感じます。
これを平坦にしてやればダメージの心配がなくなり、何とか使えるようにならないかと考えたのです。。。
そこで思いついた方法は、強引かもしれませんが、
ドラムを精密研磨して傷を使用に問題ないレベルに浅くする
プロが見たらどう思うのでしょうかね(爆)
!!ご覧の皆さん、くれぐれも真似しないでくださいね!!
偏摩耗したカセットデッキのヘッド研磨ならまだしも、こういったドラムヘッドの研磨など本来はやらないことです。
私だって仕方なく研磨するのです。本当ならば交換したいですよ。。。
しかし、部品取り機のヘッドは音が出ないほど摩耗しており、ヘッドを生き返らせるしか
このウォークマンを救う方法がありません。
当然、部品なんてメーカーに何一つ残っていないのは明らかでしょう(泣)
研磨作業の詳細については、クレイジーな事をしているので伏せますm(__)m
早速ですが研磨後です。
傷がだいぶ薄くなり、爪で触っても引っ掛かり感も軽くなりました。
何より"バリ"を取り除いてなめらかにしたことに大きな意味があります。
別の角度から
残念ながら完全に傷を取ることは不可能です。
そこまで深く削ってしまうと、ドラムが変形して(真円でなくなって)別の問題が出そうなのでこの辺に留めておきます。
ドラムヘッドは回転すると薄い空気の幕(エアフィルムと呼ばれます)がテープとのすき間にできて
ドラムが回転しているときはテープはドラムの表面から浮いた状態(非接触)になっています。
この時、テープに接触しているのは磁気データを読み込むヘッドチップの先端だけです。
素人の考えですが、これくらいに傷を平滑化すればテープダメージは避けられるのではないかと考えています。
メカデッキも当初は、部品を移植して修理しようかと考えていましたが、下手に弄られており、さらに
蓋のオープンが異様に固かったり、ガタが来ているのは明白なので丸ごと交換することに切り替えます。
何だよ手抜きじゃねぇかっと思われるかもしれませんが、信頼性を考えてのASSY交換ですよ(^^;
実際に結構酷使された様子なので正解でしょう?
ニコイチ作戦決行中(爆)
左が移植するメカですが電池が液漏れした影響で錆ています。
電池BOXは使い回して組み立てます。
仮組みして、こんな感じで動作テスト中!
蓋検出SWの当りが悪いのか閉じてもOPEN表示が出るので、タイラップを噛まして無理やり押さえています(爆)
ノイズなく再生してきれいな音がイヤホンから聞こえました。
ただし、ドラムの回転音が「ジー」っと大きいですね。。手持ちの機と比べると気になります。
ボディに落下した痕跡があるので、その時ベアリングがダメージを受けたのかもしれません。
さらに波形とエラーレートの確認をしたいと思います。
実はまだヘッドを載せ換えただけで調整を全くしてないのです。
それでもきちんと音が出るNT方式の読み取り能力は大したものです。